ぎゃおす王国記・ラクシュミーの王様への道

『王様の慢性腎不全日記』&『日記の山トップ』はこちらです 。

 

 2003年12月 

2003年12月01日(月) 茶ちびちゃん 
朝から深夜まで仕事で外出。くりくりは昼から夕方まで。らくの留守番は6時間ほど。

真夜中に、茶ちびちゃんが「苦労のない世界」にお引越ししたことを知った。つい数日前にmoomamaの掲示板で見た茶ちびちゃんは、まるで天使のような愛らしさのままで、ままるねこさんは「魔法もとけかかってきました」と書いていた・・・。
茶ちびちゃんはたくさんの魔法をままるねこさんにかけて、私にもかけて、愛らしいお姿はそのままに今頃はあちらでのびのび遊んでいるんだね・・・。
こちらでの使命は終わって、ゆっくりのんびり楽しく過ごしているんだね。

2003年12月02日(火) アルカリ 
馬刺しか鯨のお刺身を買いにスーパーに行ったが、どちらもなかった。鯨はめったにないのでまあいいが、馬刺しは最近はいつでもあったのにコーナーそのものが消えている。売れないから扱うのを止めたのかな。困るなあ。山猫さんがお呼びなのに。
代わりにお刺身の盛り合わせ。真鯛・アジ・鰯・イカ(これはあげないが)。
どれか食べるだろう・・・どれも食べなかった。くんくんしただけで終了。はい、わかりました。

獣医さんに去勢手術の相談に行った。もう7ヵ月半で体重も4.65kg、そろそろだろうな。
12月の上旬までなら世田谷区から助成金が4000円出るそうだ。まだ打ち切りの連絡は来ていないが、終わってしまったら来年の4月に再会されるまで助成金は受けられない。
12月上旬じゃ私がまだ忙しくて、術後に何日かずっと一緒にいて様子を見ることができない。発情期が来る前に去勢したほうがいいそうなので、4月に再会されてからじゃ遅い。助成金はあきらめますか。ち。
一回でも発情してしまうとその性質が残ることがあり、喧嘩っ早くなったりメスを求めて家出したりするらしい。いっちゃんは室内でスプレーを始めてから慌てて去勢したが、まったく穏やかだったので個体差はあるのだろうが、らくは早いほうがいいように思う。

先生のほうでは土曜日が都合がいいということなので、暫定的に12月20日(土)に手術の予約を入れた。その前に一度らくを連れて行って、ニコタマの成長具合を確認してもらう。
いっちゃんは一泊したが、らくは日帰りなので安心した。カラーも必要ないがたまに傷口から血がにじむことがあるので、1週間後の検診までは注意して様子を見ること。

いっちゃんのときは翌日迎えに行ったら、病院のドアを開けるとすぐに「あお〜んあお〜ん」と奥からでかい声が聞こえてきた。ずいぶん騒いでる猫さんがいるなと思ったら、それがいっちゃんだった。ずっと鳴きっぱなしだったのだろうか。
帰宅後いっちゃんをべろんと広げてみたが、どこをどうしたのかよく分からなかった。ニコタマの中身を抜いたと聞いたが、気にしてよく見たことがないので違いが分からない。かわいいかわいいばっかりで、そのくらい無知でいい加減だった。

獣医さんから帰ってきてらくを抱いたら、ちんちんのところに水が一滴ついていた。おしっこしたのかと思ったが、トイレは汚れていない。リトマス試験紙でその一滴を吸い取ったら、たちまち緑になった。ph7〜8って感じ。アルカリじゃないか〜、これ。
もうひとつ気になること。前からなのだが、茶色いものがちんちんの出入り口(?)についていることがある。血が乾いて固まったようにも、お股を舐めててうんこちゃんの欠片がくっ付いたようにも見える。
楊枝の先くらいの欠片なので、小さすぎてどちらだか分からない。トイレの砂がおしっこで赤っぽくなっていたことはないので、「うんこちゃん」かと思うが、取ってもまたついている。排便後は毎回お尻を拭いているので、奥のほうの取りきれなかった破片が付くにしては、しょっちゅう過ぎる気がする。
やたら元気でご飯も食べるから、病院には行っていなかったが・・・アルカリだしな〜。尿検査してもらおう。今日はもう間に合わないし、明日は仕事。明後日は病院は休みなので、金曜日になるかな。どうみても緊急ではない元気さなので、大丈夫でしょう。
うまいことタイミングを捉えたら、またphを測ってみよう。たまたまアルカリだったも、ありえるし。

うんこちゃん 朝:いい状態 夜:軟便

2003年12月03日(水) 手作りおもちゃ
私が布団に入って1分後にケー。
それはいいが、なんだってそうヤヤコシい場所でばかり吐くのだ。
爪とぎハウスの中でやっちゃったら、ダンボールの穴ぼこの中にケーが詰るし水分でべろべろになるし、ああ〜気色悪い。
修復不可能なので、ハウスの中に設置してあるダンボールを新品に取り替えた。

それからいくらも経たないうちに、朝まだ暗いうちから大破壊活動。寝ている私の身体の上を、何回も走り過ぎていく。何の遠慮もない。お元気で何より・・・って喜ぶと思うか、らくさんや?ああ、うるさい。

仕事帰りに本屋さんに立ち寄り、偶然に「グーグーだって猫である」が目に入った。大島由美子さんの漫画で、捜すことはしなかったけれど、あれば読みたいと思っていた。
買うつもりで手にとって、最初の話をパラパラと立ち読み。・・・・うう、ダメだ、買えない。猫漫画だと知っていたが、サバちゃんが慢性腎不全であちらにお引越ししたとは知らなかったよ〜。
買うことも、立ち読みを続けることもできずに、首から下げたいっちゃんのカプセルを握り締めて店を出た。

ぱらりとめくった漫画のページの中に、「2代目の猫(グーグー)は得だ。死んだ猫の分まで大事にされる」という文章があって、深く頷いた。
サバちゃん(初代の猫)の腎臓が悪いと知ったときに、お水をいっぱい飲むのは今年の夏が暑いからだと思ってた。うっかりな飼い主だと大島さんが泣いているコマがあった(細かい表現は違うが、こういった内容だった)。まるで私だった。
先日読んだ内田百閧ウんの「ノラや」では、ノラが帰ってこなくなって、おじいちゃんの百關謳カは風呂にもろくに入らずに1年以上声を出し涙を流して泣き暮らした。正直少々あきれたが、かなり慰められた。百關謳カがこうなのだから、私がいっちゃんいっちゃんと泣くのもありだと勝手に納得した。
ノラの後にきたクルちゃんが、あちらにお引越したときは「どうしよう。このこを死なせて」と泣いている。これまた同じで、びっくりした。私もいっちゃんが逝ってしまったとき、ひたすら「どうしよう、どうしよう」とつぶやきながら部屋の中をぐるぐる歩き回ったから。どうしようたって、どうしようもないのだが、まったく「どうしよう」という気持ちなのだ。
大島さんや百關謳カと自分を同列に考えるのは恐れ多いが、気持ちは皆一緒なのだと思う。

布屋さんで、素材の羽根を買ってきた。らくはすぐにおもちゃをボロボロにしてしまうし、無事なものは飽きてしまう。新し物好きなので、目新しいものがあれば買ってやるが、もうほとんどのおもちゃは買いつくした。そこらの紐にもじゃれるのだから、作ればいいんだ。2回分つくれる分量で、2,000円ちょっと。ちっとも安くないが、溜まったポイントで買ったのでタダだからいいか。
買ってきた羽根をまとめて、ありものの棒にくくりつけた。まあまあの飛びつき具合。こんなもんか。
家にあったリボンでも一本作った。仕事道具だけど、もうリボンは流行らないから使っちゃえ。こちらのほうが気に入ったみたい。なんだ、羽根を買うことなかったじゃない(タダだけど)。

私は昼から仕事。くりくりは昼には帰宅の入れ違い。らくのお留守番はなしで良かった。
うんこちゃん、朝も夜も完璧なコンディション。軟便にワイソングのフードは関係なかったらしい

2003年12月04日(木) 神社の散歩 
玄関の前に座り込み、外に行きたいとみょんみょん催促がやかましいので、ハーネスつけて夜中に神社の散歩。とっとっとと走るらくの後を、リードを握って私がついていく。らくは何も考えずに走っているようだけど、しょっちゅう後を振り返って私の顔を見る。ちゃんと御付きの者がいるかどうか確認しているようだ。いれば強気で走るのか?性格がいっちゃんと似てきたぞ。
絶好調で神社を探検していたが、人が来たら泡を食って全力疾走で逃げようとした。これこれ、どこにいくんだ?パニックでバタバタしてるらくを押さえて抱っこしたら落ち着いた。やれやれだ。
ね、そんなに知らない人が怖いんだから、脱走したらダメだよ。一人で外ではやっていけないよ。絶対いかんよ。

うんこちゃん、朝も夜も完璧。そろそろ軟便倶楽部の会長を辞任かな。うしし。

2003年12月05日(金) 初めての木登り 
とうとうランの鉢植えを掘り返した。ランは土ではなく、成分は知らないが、軽い小石に植えてある。それがちょうど、らくが転がして遊ぶおもちゃになってしまう。帰宅したらその小石がたんまりと床に散乱していた。
ランちゃん、ごめんよ〜。山猫も来年は少し落ち着くから(希望)、今年だけ耐えてくれ。

深夜に神社の散歩。人が通るとパニックになるくせに、誰もいないと大胆だ。
らくさん、いきなり木に手をかけて、がじがじがじっとよじ登る。リードがぴんと張って、私の腕を精一杯上に伸ばしたとこまで登ってしまった。神社の小屋(?)の屋根より高い。2.5〜3mくらいありそうだ。で、登ったあとはどうすんの?ぴょんと飛び降るには高すぎる。落ちてきたら受け止められるか?リードが絡まったら危なそうだ。お〜い、怪我しないでくれよ〜。
はらはらしつつ見ていたら、登ってからちょっと迷って、がじがじがじっと、よじ降りてきた。登りの巻き戻しみたい。そんな技も使えるのか。さすが山猫です。
なかなかの眺めだったな。今度はカメラを持ってこよう。

うんこちゃん、朝いい状態。夜は軟便気味。
深夜にメシ食ってケー。

2003年12月06日(土) いっちゃんの半年 木登りパート2
今日はすき焼き。らくも生牛肉を少しだけお相伴。

明けて7日の0:35am。いっちゃんがお引越してから、ちょうど半年たった。くりくりは「遠い昔のことみたいだ」と言い、私は「つい昨日のことのような気がする」と言った。本当は両方で、もっと本当は、時間は関係ない。いっちゃんは永遠だから、昔も今もない。うんと昔から未来永劫まで、いっちゃんはいっちゃん。王様で君臨している。

今夜も神社へ。散歩の手間がないから猫と暮らしているのに、これじゃ犬でも同じだ・・・うそだけど。犬も好きだが、今は猫と暮らすのがいい。しかし毎日「散歩に連れてけ、み゛ょ〜ん」攻撃には参る。味をしめてしまったようだ。散歩に行くのはいいけど、脱走の可能性が高くなったのではと心配だ。
昨日までは人が通るとパニックになり、全力で駆け出そうとした。今日はそれがない。草むらの影などに身を潜めて、じっと通る人の様子を伺っている。少し慣れてきたのかな?それなら通行人の少ない深夜にばかり散歩に出ることもない。昼間でもいいのだけど、いよいよ脱走の危険が高まるかな。
松の木に登り、あっという間に細い枝にくの字になって引っかかった。ばたばたもがいているが、手が届かないほど上なので助けられない。自力で枝からは脱出したが、幹にしがみついて固まったまま鳴いている。なんとか手が届く高さなので抱っこして降ろしたが、怖かったらしくツメを幹にがっちり食い込ませて離さないので難儀した。猫が木に登って降りられなくなり、レスキュー隊出動というニュースをたまに聞くが、そうならなくて良かった。

うんこちゃん、朝一回。いい状態。

写真は、違う木に登ってるらく

2003年12月07日(日) 神社でモヒカン 
通行人がそんなに怖くなくなったなら昼間散歩に行こうと思っていたのに、らくは寝てばかり。夜の10時近くなってから「お外〜、みょ〜ん」が始まった。
私がハーネスを手に持つと、いそいそと走ってくる。かわいいじゃないか〜!
今夜はくりくりも一緒に、1山猫+2ヒトの家族総出で神社へ。
昨日登った松の木のそばにラクシュミーを降ろしたが、なんだか落ち着かない様子。まだ人がけっこう通るのからかな。やっぱり深夜のがよかったか。
くんくんしながら、水飲み場の方へ移動。しばらくその辺を嗅ぎ回る。

抱っこしてまた松の木のそばへ降ろし、ふと見るとらくのしっぽが狸になってる。あれれと思う間もなく全身総毛立ち、固まったまま一点をじっと見つめてる。
らくにくっ付いて隣にしゃがみ、らくが見ている方を見たが、何もない。猫でもいるのかと思ったが、何も見えないし気配もない。何だ一体?さっき落ち着かない様子だと思ったのも、通行人ではなくこちらのせいか?
らくは背骨の上の毛が束になって垂直に上に立つので、まるで全身モヒカンだ。面白いので写真を撮ろうかと思ったが、いかんものが写ったらイヤなのでやめておいた。
らくは何かを感じているのが、はっきり分かる。私もくりくりもまったく何も感じないので、従って全然怖くもないのだけど、らくのモヒカンが治まらず固まったままなので抱っこして連れて帰ってきた。今日は木登りなしだった。

部屋に入って包んでいたショールを取ったら、しっぽはまだ半端に狸だったけど、すぐに治まった。
いつもは散歩から帰ってきてしばらくすると「もっかい、おそと〜、み゛よ〜ん」とうるさいのに、今日は散歩のおかわりの催促がない。
いかんものがいたのか・・・それとも、いっちゃんが「お外は怖いから、一人で出ちゃいけないよ」と教えるために、教育的指導をしてくれたのかな。きっとそうだと思う。

私の入浴中に、空風呂に落ちて以来、初めてお風呂にきたらくさん。外は怖いから、部屋の中を目いっぱい有効活用することにしたのかい?
今まではドアのすぐ横から浴槽のふちに飛び乗り、綱渡りのようにして風呂蓋まで移動していたが、今日は洗い場をずんずん進んで、直接、蓋に飛び乗った。
あら、頭いいじゃない。学習したのね。やればできる子なんです。

写真:幻のセタガヤヤマピカリャー

2003年12月08日(月) 通院 
去勢手術前の検診で、久しぶりの通院。
ハーネスをつけてキャリーに入れたら、暴れもせずに中で香箱をつくってじっとしてる。楽だなあ。いっちゃんは元気な頃は飛び出してきたので、押さえつつファスナーを閉めるのが大変だった。らくはまだ学習していないから、中で満足げに落ち着いている。

自転車で病院へ。道中は一言も鳴かず。といっても2分くらいで着くのだけど。
待合室に誰もいなかったので、キャリーから出して膝の上に抱っこした。その辺を歩き回ってもハーネスを着けているのでいいかと思ったが、らくは固まったまま動かない。膝に爪を立ててしがみつき、顔を必死で私の脇の下に突っ込んでいる。・・・お馴染みの光景だ・・・いっちゃんと同じじゃないか〜。
前回病院に来たときは、その辺をきょろきょろして動こうとする余裕もあったのに。

診察台に乗せたら、気の毒なくらいぶるぶる震えている。みょ〜んも言わず爪も出さず、されるがままになっている。破壊活動家がそれでいいのか?
いっちゃん以上に怖がりだね。王様は、「あお〜ん、やめれ〜」と抗議するぞ。待合室で抱いているときは大人しいけど、診察室では鳴きっぱなしだった。
らくは、声も出せずに固まったまま、ひどく震えている。とんでもない内弁慶らしい。

体重4.75kg、体温38.6℃。
おしっこが数日前と昨日とph8くらいでアルカリだった。ちんちんの出入り口に、茶色いカスのようなものが付いていることがあると言ったら、先生はいきなりムキっと剥いて「これがペニスですけど、なんともないです。きれいです。」と私に見せた・・・。ぎょえ〜、怖いよ〜。
いっちゃんのときも怖かったけど、らくのはもっと怖いよ〜。
いっちゃんのは楊枝の先みたいに細くて小さくてピンクで可愛かったが、らくのはもうちょっと大きくて濃い赤なので、内臓っぽい感じがして余計に怖い。そんな風に手で押し出して、痛そうで怖いよ〜。
おしっこのアルカリはそのときのタイミングもあるので、普通に出ていれば問題ないそうだ。茶色の破片は、うんこちゃんのカケラだろうということで落ち着いた。毎回拭いているのになあ。でも、なんでもなくて良かった。それが一番。

「肥満ですか」と聞いたら「痩せてはいないです」とのお答え。今がぎりぎりのところだそうだ。これ以上体重が増えないように注意してください、去勢したら太りやすくなりますからと注意された。
食べ過ぎないように、太らないように注意する・・・半年前とえらい違いで、なかなか気持ちの切り替えができない。食べるのは、うれしいことと刷り込まれている。

帰宅後、しばらく興奮状態で走り回る。まったく病院とは別猫。
それから、おしっこ。ph5で酸性。
アルカリだった前回の2回は、おしっこした後にちんちんの出入り口についてた雫一滴だけで測った。今日はじゃあじゃあの下にリトマス紙を差し入れた。
一滴では正確に測れない、しっかり濡らさないと判定できないと先生から教わってきたばかり。ちゃんと濡れれば中性だった。そのせいじゃないかもしれないが、どちらにしても良かった、安心した。

今夜はお散歩の催促なし。ちょっと玄関の前で鳴いたので、抱っこして外廊下を端まで歩いただけで、満足して騒がなくなった。昨夜の神社で懲りたのか、昼間の病院が怖かったのか、外にあまり行きたがらない。
明日からまたちょっと仕事が続くので、今夜行っておかないと、しばらく散歩はできないよ。いいのかい?

写真:30年物の炬燵にあたる山猫

2003年12月09日(火) しっぽ浴 
仕事から帰宅後、らくのしつこい催促に負けて10pm過ぎに神社へ散歩。
先日の神社モヒカンは、いっちゃんの教育的指導ではなかったらしい。

らくは秋頃まで、鏡に写った自分を見てときどきモヒカン・タヌキしっぽになっていた。
いっちゃんのタヌキしっぽは、見たことがない。ちょっと毛が逆立った程度ならあるけれど、それすらめったになかった。
初めてらくのタヌキしっぽを見たときは驚いた。まるで別物、3倍じゃきかないくらい見事にぶっとくなっていて、身体の毛もぼうぼうと立っていて、猫ってこんな風になるんだと知った。

私の入浴にいそいそとついてきて、蓋の上で居眠り。それはいいが、しっぽがお湯に浸かっているよ。全然気にしないんだね。

しっぽ浴のムービー、見る? wmv(ウィンドウズ・メディア)、457KB

2003年12月10日(水) 深夜の悩み 
深夜12時半帰宅。くりくりは夕方帰っていたので、らくのお留守番時間はそれほどでもない。
玄関ドアに張り付いて待ち構えていたらくが、私の顔を見るなり「散歩〜」とわめいた。どうせなのでコートを着ているうちにと、そのまま神社へ。

らくさん、通路じゃないところへばかり行きたがる。隅っこの、落ち葉が積もって草ぼうぼうの中に踏み込んでいく。普段は人が立ち入らないような場所に私がぼ〜っと立っているので、そばを通った人がぎょっとした顔をした。誰かが来るとらくは木や草の陰に隠れてしまうので、傍から見たら私だけ、あらぬ場所にただ突っ立ているように見える。場所も時間も悪いし、着ているコートが膝丈のオイスターホワイトなので、それも悪い。明日からは黒いコートにしよう。・・・直前まで人がいるのに気が付かないのも怖いか?

くりくりに「変な噂がたつんじゃないか」と言われた。どうすりゃいいんだ。犬のように広い場所で遊んでくれたら「あら、ペットのお散歩ね。かわいい♪」ですむのにな。あいにく、山猫だしな・・・。

写真:猫缶の湯煎が待ち切れない

2003年12月11日(木) 深夜の怪 
雨で寒い。らくは猫ベッドで眠りっぱなし。
暗くなってから雨が止んで、らくの「さんぽ〜、み゛ょ〜ん」が始まった。とんでもなく、しつこい。うるさい。
地面が濡れてて、らくの足がどろどろに汚れそうでイヤだなあ。寒くてイヤだなあ。しかしお約束どおりに、山猫様の要求に負ける。

神社にいたら、ちょうど帰ってきたくりくりと会った。善良なる通行人の皆様を驚かせないように今日は黒のコートを着ていたのに、くりくりはそばに来るなり「ゆうれいに見える」と失礼なことを言った。コートの肩に、らくを包んでくる淡い色のショールをかけているからか?「いるべき所じゃない所にいるからだ」と言われたが、だってらくが、いるべき所じゃないとこにばかり行くんだよ。

帰ってきてからも、「もっかい〜、さんぽ〜」と大変うるさい。そのうちキレて大声でわめっきぱなしになったのは、昨夜と同じパターン。玄関のドアノブに手をかけようとする。あんた、そういうことはよく観察しているね。まだ手が届かないのでいいけれど、もう少し大きくなったら回しそうだ。そうなると、ゴミを出しに行くにも鍵をかけなくちゃ危ない。あ〜めんど臭い。
散歩はもう習慣ですか?わんこ並みですか?冬は寒さに凍えながら、夏は蚊に刺されながらも行くのですか?
今からやめるのは無理っぽくなってきた・・・。

神社から帰ってきてしばらくしたら、また大雨になった。ちょうどらくのお散歩の間だけ止んでいた。
天まで山猫の味方ですか?

写真上:あらぬ場所を征伐中
左:お散歩おかわりが無視されて、面白くね〜な〜度マックスのらくさん

2003年12月12日(金) 道草食うな 
夜12時、私が帰宅して玄関のドアを開けるなり、「らくの散歩は行かないほうがいいよ」とくりくり。くりくりが帰宅してお風呂場でケーを発見し、その中に「こんなのが混じってた」と、けっこうな大きさの葉っぱをゴミ箱から出して見せた。胃液で変色しているが、紛れもなく笹の葉っぱ。それも3枚も。笹はとがってるし硬いので、胃や食道を傷つけなかったかと心配。
くんくんしているだけかと思ったら、食っていたらしい。神社に行くのはいつも夜だし、さらにライトの届かない暗いほうへばかり行きたがるので見えないんだよ〜。

くりくりは、らくの散歩に反対する。「お外は楽しい」と覚えてしまったら脱走する。ノミやダニがつく、と言う。それはそうだけど・・・。
私はただ、らくに元気で長生きしてもらいたいだけなんだけどな。楽しい猫生は長生きの気力や生命力を生むかもしれないと思ったけど、確かにリスクもあるよね。
行くべきか行かざるべきか悩む。

とりあえず今夜の散歩は止めておこう。明日猫草を買ってきて、外でやたらな草を食べる気を減らしてからにしよう。
猫草も、買おうかどうしようかずっと迷っていた。胃を刺激するから与えないほうがいいという獣医さんもいるようで、吐いて毛玉を出すのは本当はあまりいいことではないらしい。普通は便に混じって自然に出るものだし、それでは間に合わない長毛さんもいるだろうが、らくは大丈夫そうだ・・・と思い今まで買っていなかったが、散歩で変な草を食べるくらいなら猫草を買おう。生野菜も食べたがるし、身体が必要としているのかもしれない。

玄関前に座り込み、「散歩連れてけ攻撃」を激しく執拗に続けるらく。吼える欲求不満の固まりになっている。ストレス発散のつもりで始めた散歩がかえってストレスを増やしてしまった。かわいそうで何度もらくの攻撃に撃沈しそうになるが、くりくりに「ここで負けたらダメなんだよ」と止められた。うぐぐ。
迎え撃つこちらの作戦は「生タラ」と「おもちゃ」の2つ。

作戦その1:おもちゃ いくらおもちゃを振っても、らくは玄関前を動かずに吼えてる。ちょっとじゃれる素振りはするが、お義理にジャンプしても急いでドアのまん前に戻ってしまう。・・・作戦その1、失敗。

作戦その2:生タラ 煮ている最中から、らくは玄関前を放棄して台所の調理台の上に移動。冷ますのを待ちきれずにお皿に顔を突っ込み、そのまま約10分ほど無言で食べまくる。やれやれ、これで収まったか。食ったらグルーミングして寝んねしなさい・・・と思いつつ眺めていたら、山盛りタラを半分ほど片付けたところでお皿からやおら顔をあげ「う゛ぎょ〜ん゛んんっ!」と雄たけびをあげて玄関前に戻っていった。・・・作戦その2、失敗。

こちらにはもう「無視」という、作戦というよりは消極的対処しか残っていない。これがなかなかきつい。私の入浴にくっついて風呂場にきたが、いつもは蓋の上に寝そべって大人しくしてるのに、今日は仁王立ちになって吼えまくっている。「風呂じゃね〜だろ、散歩だろ〜っ!!」と無理な主張をする。
いくらわめいても誰も相手をしてくれないので、らくさん、部屋の破壊活動に作戦変更。ひとしきり暴れて、さっき半分残したタラをやけくそで一気食い。んで、ケー。それで気が済んだのか疲れたのか、猫ベッドに入ってやっと眠った。
あああ、私も疲れた・・・。胃が痛い。

写真:タラが好きなのは分かったから、落ち着いて食べなさい

 2003年12月13日(土) 猫草 
猫草を買ってきたら、袋から出す前にもうくんくんして張り付いている。出すなり、ぐわしぐわしと食い千切る。ずっと食べている、なが〜いこと食べている。やめたと思ったら、また食べている。そんなに好きなのかい。いっちゃんも猫草は大好きだったよ。

PCの机に座っていると、足元が冷えて寒い。いっちゃんのこたつ、「王様シェルター」を出して机の下に置き、足を突っ込むことにした。らくは若いから、猫こたつはまだ早い。私が使おうとセットして電源をいれ、さて足を入れたら・・・らくが中で伸びていて、どいてくれない。じゃあいいよと、らくの身体の上に足を乗せたら、じゃれつかれて痛い。
それ以前に机の下にこたつは、姿勢に無理があった。腰が痛くなりそうなのであきらめて、らくが使うならとソファの上に設置。らくさん、大人しく猫こたつのなかでくつろいでいる。そのうち暑くなったらしく、出てきて床の上に寝そべって涼んでいる。
過保護にしたら身体が弱くなると思い、あと10年くらいはらくに猫こたつを使わせる気はなかったけれど、気持ちいいならまあいいか。

リードを付けた猫の散歩について検索。
獣医さんの意見:必要なし。猫には上下運動が必要で、家の中で家具に飛び乗るなどで充分。散歩に行っても犬のように走り回るわけではなので、意味なし。強いてメリットをあげるとすれば“気分転換”だが、猫のためというより、どちらかというと飼い主のため。
猫は何かに驚いてパニックになると走って逃げる習性があるので(犬は飼い主に頼ろうとするが、猫は一人で逃げようとする)、もしハーネスが抜けてしまったら迷子や病気、事故などの危険がある。
猫はよく外を眺めているが、出たいわけではなく鳥や人など動くものが面白いだけ。臆病な子は、無理に出すとストレスになる。安全なテリトリーから眺めるのが猫も一番安心する・・・。などなど。

リード付き猫の散歩を実行している人はけっこういて、HPもたくさんあった。共通しているのは「くせになっているので、やめられない」「脱走されたことがある」の二点。
散歩に行って「お外は楽しい」と学習→楽しいことはいっぱいしたいので、脱走してみる→「なんだ、オレ、一人でも大丈夫じゃん」と自信をつける→隙あらば脱走→たまにしか帰らない・・・と、いつのまにか外猫になってしまった猫さんもいた。飼い主さんが望んだことではなく、部屋に戻ってきたときに閉じ込めるのだけど、出してやらないと狂ったように鳴き叫ぶので出さざるおえないようだ。
この猫さんは極端な例だと思うが、ありえない話しじゃない。去勢していないオスだろうか。

皆さんの経験を総合すると、猫さんの性格にもよるだろうが、若いうち(一歳未満)ほど外の味を覚えやすく脱走もしやすい。外に出ないと気がすまないようになり、体調が悪くても年を取ってからも行こうとする。
3〜4歳くらいになって、性格がある程度落ち着いてから散歩を始めたコはそうでもない。あくまでも「本拠地」は家で、外はオプション。
太りすぎで心臓を悪くし、ダイエットのために散歩を始めた猫さんがいた。しかし真夏や真冬はかえって心臓に負担がかかり、いかんことになっているが、外が大好きになり習慣化しているので止められないようだ。

獣医さんと一般の飼い主さんの話しをまとめると、運動やストレス解消は家の中で十分遊んでやれば心配することはないらしい。最初から外を知らなきゃ、家の中に閉じ込められているストレスもない。
それでも散歩をするなら、ずっと毎日続ける覚悟が必要。しかしメリットはほとんどない・・・。

うちは4階で、廊下の一番奥の部屋。万が一脱走したら、らくには自力で帰ってくる根性も脳みそもない気がする。あったとしても、らくは知らない人は大嫌いで怖いので、階段や廊下で誰かにあったら、そのまま闇雲に逃げると思う。パニックのあまり外廊下の壁にジャンプして向こう側に落っこちたら、大怪我をしてしまう。草深い人の通らない半端な空き地で上からも見えないし、落ちたらラクシュミーを発見できないかもしれない。
うまいこと誰にも会わなくても、もし部屋を間違えて玄関先で「ただいま〜!」とわめき、中から知らない人が出てきたら、やはりパニックになりすっ飛んで逃げたきりマンションには近寄らなくなるかもしれない。迷い猫まっしぐら。

軽い気持ちで始めた山猫の散歩だが、またもや軽率な行動だったと思う。いっちゃんも10歳近くまで外に出ていたし、いっちゃんのように長生きしてくれと始めたが、家の状況(いっちゃんが外に行っていたときは1階か2階だった)も、猫の性格も違う。
らくのためと言いながら、心のどこかに面白がる気持ちもあったと思う。
いっちゃんの世話がちゃんとできなかったので、今度こそ、らくのことはしっかりやろうと思うのに、逆のことばかりしてしまう。

しかし仕方がない。もう初めてしまった以上、らくが行きたいなら覚悟を決めるしかない。
らくがどうしてもお散歩に行きたいなら行くが、せめて去勢手術が終わってからにしたい。らくにマーキングやスプレーなどの発情行為はないけれど、月齢や身体の大きさからいっても、あってもおかしくない。ちょっと変な鳴き方をしていることならある。手術後なら無茶をする確立も少し減るのではないか。

だからあと一週間だけ待ってくれ。それまでいくらでも遊んでやるから頼むよ、ラクシュミーさん・・・とこちらが決意を固めたというのに、今夜の「散歩連れてけ攻撃」はだいぶ弱い。たまに玄関前で鳴くが、すぐに部屋に戻ってくる。猫草が効いたのか?王様シェルターが出てきたりなどで、部屋の点検が忙しいからか?
夜中に一回だけ玄関前でしつこく鳴いたが、抱っこして部屋に連れ戻したら落ち着いてしまった。らくがいいなら、散歩はもう行かないよ。いいんだね。

2003年12月14日(日) 諦めと忘却 
仕事の空き時間に抜け出し、らくのおもちゃを一個ゲット。散歩から気を逸らすための姑息な手段。

9:30pm帰宅、らくの様子を聞く。「散歩連れてけ攻撃」はなかったそうだ。
新しいおもちゃで遊んで、たま〜に玄関先に行くが、「みょ〜ん」と一声鳴いただけで戻ってくる。これはこれでまた不憫だ。まだ子供なのに、あきらめることを覚えたのか。くりくりは「忘れたんじゃないの」と一言。そんなにすぐに?助かるが、早すぎるんじゃ?それではまるで、バカではないか。
3日留守にしたら、私のことも忘れそうだ。

2003年12月15日(月) 豆鯵と馬刺し しっぽはやめれ 
スーパーで豆鯵を発見。今まで気が付かなかっただけかもしれないが、売っているのを始めて見た。mooちゃんに届けたいと、パックを手に持ち見つめたまま、しばらく考え込んだ。目がきれいで澄んでいるので、鮮度はとてもいいように思う。しかし賞味期限は今日まで。小さい魚なので、あしが早いのだろう。
もう夜の9時近いし、明日もあさっても私は仕事だし、買っても届ける時間がない。ああ、残念だ、せっかく豆鯵を発見したのに・・・。
しかしちょっと考えてみれば、mooちゃんの好物をmoomamaがゲットしていないはずはない。痛みやすい魚なので、いっぺんにたくさんあっても困るだろう。それに夜遅く、いきなり私が玄関先に豆鯵を握りしめて現れたら、とっても怖いだろう。

mooちゃんは食欲がないときでも、豆鯵なら頭からガブガブと元気に食べる。
私は豆鯵のことを知らなくて、いっちゃんにはあげたことがない。鯵ならお刺身でも焼いたのでも好きだったので、豆鯵も気に入ったかもしれない。食べさせてやりたかったな。「おいしい」をさせてやりたかった。
代わりに、らくに食べてもらおうかな。でもらくは魚より肉のほうが好きみたいだし、今日は馬刺しがあるので買っておきたいし・・・。肉も魚も冷凍すると味が落ちるらしく食べ方が鈍るので、いっぺんに買うのは得じゃない。豆鯵はこの次にしよう。

スーパーに買い物に行っただけで心中では大騒ぎ。なんだかんだと葛藤があり、気持ちがよろよろになりつつも馬刺しを買って帰ったというのに・・・らくは、食べない。なんでやね〜ん!!馬刺し、好きだったじゃないか〜。らくの顔を覗き込んだら、「びみょ〜ん」と言われた。「あ〜、マメアジのがよかったな〜」と言われた気がした。
馬刺しのお皿を無視して、カリカリを食べてケー。吐くほど食ったんかい。

らくのしっぽの上のほうが、毛が濡れて固まったようになっている。なんだこれと触ったら「うびょん!」と怒った。
いっちゃんは穏やかだけど、しっぽを掴まれたときだけ「やめれ、ぎゃおす!」と怒った。らくは、しっぽで怒ったことなんかないのに。もしかして痛いのか?
ちょっと触れただけでも怒るので、抱っこして固まったようになっている毛を掻き分けて、、強制的に地肌を観察。特に変わったことはない。怪我もないし、腫れも赤みも何もない。元気に跳ねて遊んでいるので、様子を見ることにする。

 2003年12月16日(火) 大人の行動 
昨日、豆鯵のことでmooちゃんのことを考えていたら、mooちゃんの夢を見た。
豆鯵を持ってmooちゃんちに行く途中で、mooちゃんと会った。おうちまで送りますからとmooちゃんを抱っこして歩いていたら、いつの間にか広いお屋敷に迷いこんでしまい、出られない。和室の襖をあけると洋室で、洋室のドアをあけると別の和室で・・・と迷路のようできりがない。とにかく広いお屋敷で、部屋の中に川が流れ同じ造りの建売住宅がずらずら建ち、隣の部屋は商店街になっていたりする。公衆電話が並んでいたので、moomamaに電話をかけようとボックスの中に入ったら、中はガラス張りの銭湯の脱衣室だった・・・。途方に暮れていたら、目が覚めた。なんなんだ、これ。

9:30pm帰宅。くりくりの仕事は午後からだったので、らくの留守番は8時間。
そんなに長時間じゃなかったのに、まとわり付いて、ぎゃおぎゃおうるさい。仰向けになって、ごろんくにゃんと、しきりにアピールする。はいはいはい、ネコジャラシネコジャラシ。
ぎゃおぎゃおうるさいが、散歩の催促ではないらしい。前は玄関ドアに張り付いて鳴いていた。今日もたまにそちらへ行って鳴くが、三和土には降りないで台所の床の端っこまで。遊べなのね、はいはいはい、ネコジャラシ。

らくが大人になったと、くりくりが残念そうに言った。
前はネコジャラシで何時間でも遊んだが、今はすぐにやめてごろんと寝てしまう。ジャンプもあまりしなくなった。・・・太りぎみで身体が重いのでは?
前は脚をおっぴろげて、そこいらじゅうで仰向けで眠っていたのに、今はあまりやらなくなった。寝る場所も決まっている・・・冬だからじゃない?最近らくは、私の机の横の本棚の上で寝ていることが多い。高い場所のが暖かいんだよ。
前は私達が眠っていても全然お構いなしに部屋中を走り回っていたのに、今は私達が寝るとらくも寝てしまう。・・・それはそうだね。
行動が大人の猫みたいだと、くりくりが訴える。聞いていたら、私もちょっとつまらない気持ちになった。大きくなるのが早すぎる。

2003年12月17日(水) 猫こたつ撤収 
夜に帰宅。くりくりは遅い時間からの仕事だったので、らくのお留守番は4時間ほど。
まとわり付いて遊べの催促は昨夜と同じ。

出した日は気持ち良さそうに入っていた猫こたつなのに、今はまったく無視して近づきもしないので片付けた。まったく新し物好きで、すぐに飽きる猫だ。
なのに、らくを保護してくれてた猫ボランティアさんからいただいた猫入り道具の、「猫ベッド」と「爪とぎハウス」は飽きずに毎日、そればっかり使っている。
猫ボラさんの家で、それらを使っていたわけじゃない。寄付してもらったけど、うちでは使わないので・・・ともらったものだった。
それらに、らくが何か特別の思い入れがあるとも思えないけど・・・なんでもいいよ、らくが好きなら。

2003年12月18日(木) 絶食の夜 
先日、去勢手術前の検診で通院した日の日記に書き忘れたが、病院側の都合で手術の予定日が一日早まって19日になった。つまり、明日。
手術はもちろん心配だが、今夜の絶食も怖い。夜の9時以降は食べちゃいけないので、夕方になるにつれて早くもどきどきしてきた。

8pm、そろそろがっつり食べてくれないかなと思っているのに、らくはご飯に近づきもしない。あああ、今食っとかなきゃ、お腹すいて辛いのに〜。
8:50pm、夕方食べた猫缶の残りをちょっと食べた。あああ、カリカリを食えよ〜。猫缶じゃすぐにお腹がへるよ〜。
カリカリを3種類並べたが、食べない。「今はいらない」と向こうへ行ってしまう。いっちゃんが好きだった“焼きかつお”を開けてほぐしていたらやってきて、はむはむ食べた。まだちょっと不足の気がするが、仕方ない。猫草とご飯を全て片付けた。私も絶食に付き合うから、耐えてくれ、らく。

らくに焼きかつおは、今まで一回しかあげたことがない。いっちゃんは大好物だったけど、らくは魚より肉のが好きなので、そんなに興味がないかと思っていたが好きなようだ。猫は食べたり食べなかったりが激しいのでまだ分からないけど、いっちゃんの好物をらくが食べるのは嬉しい。

食べてちょっと遊んで、本棚の上で寝ている。このまま朝まで寝ていてくれ・・・そんなわけはない。
夜中0時、らくが起きて本棚から降りてきて、らくご膳の前へ。ああ、とうとう恐れていたことがっ!お水しかないので、しばらくきょとんとして座っていたが、文句も言わずに部屋に来た。今までらくご膳にご飯がなかったことはないもんね。不思議そうな顔をしているが、まだ切羽詰ってお腹がすいてるわけではなさそう。よかった。
今夜は私達も早く寝て、らくも一緒に寝ちゃおう。起きてるとお腹がすくから、もうみんな一緒に寝ちゃおう。

写真:砂を新しくしたトイレの点検終了

2003年12月19日(金) 去勢手術 
らくが何度かご飯置き場の前に行っては、腑に落ちない顔をして部屋に戻ってくる。
騒ぎださないうちに部屋の電気を消してみんなで寝ましょうと、2am消灯。
らくが気になって熟睡できない。暗い部屋の中を、らくが歩く気配がする。
ときどき私の顔の横で、「みょ〜ん」と2回鳴いて去っていく。

8am、全員で起床。くりくりは仕事へ。
8:30am、らくのお水を片付けた。らくは寝起きでぼーっとしていて、ご飯置き場に近づかない。
好都合だけど、脱水にならないかと心配になる。
今日はいい天気で、窓辺はぽかぽか。いつもだったら、のんびり日向ぼっこなのになあ。いっちゃんを点滴で病院に日帰り入院させた日も、晴れるといつも同じことを思った。

ハーネスをつけてキャリーに入れたら、出てこようとするので頭を押さえながらファスナーを閉めた。騒ぐことはなく、黙ってもぞもぞする程度なので苦労はなかったけど、前回検診で病院に行ったときにはキャリーの底で箱座りしてすましていたので、薄くいやな記憶が残っているのかもしれない。

8:55am、病院に一番乗り。9am、おじいちゃんがシーズー犬を連れてきた。このこは去年、いっちゃんの通院が始まったときから病院で見かけていた。しょっちゅう顔を合わせていたので、おじいちゃんと話しをしたこともある。シーズーは女の子で、15歳くらいで、老化から来る慢性の持病があって治らない。週に3回通院している・・・と聞いたと思う。シーズーちゃんの顔が見れて嬉しかったが、喘息のような咳が止まらずひどく苦しそうで、聞いていて私も苦しくなった。
受付の順番は私のほうが先だけど、シーズーちゃんを先に診てもらいたい。らくは病気じゃないし、今日は預けるので順番が後になっても、10分か20分くらい待合室でらくを抱いている時間が増えるだけ。全然不都合はない。
受付に申し出ようか、先におじいちゃんに話してからのほうが失礼にならないか、相手が気を使わないように、どう話しを切り出そう・・・と迷っていたら、診察室から先生が出てきて、「咳をしているから、お預かりしますね」と言って、さっさとシーズーちゃんを抱いて奥へ連れて行った。
ああ、そうだよね。先生が分かってないはずない。

またすぐに診察室から先生が顔を出し、らくと私が呼ばれた。
体重4.9kg。私は「また増えた〜」と、嬉しいんだかトホホなのか半端な声を出し、先生は「食事の量を減らしてください。」と小さく叫んだ。11日前の検診の時より、150g増えている。9月頃は毎日50gずつ増えていたが、まだ成長期の真っ最中だった。らくは今、満8ヶ月くらい。ほぼ骨格の成長も終わっているので、これ以上体重が増えないようにと注意されていたのに・・・。いやいや、まだ8ヶ月。むちむちだけど、体格はいっちゃんより一回り以上も小さい。まだ育つだろ?横に広がるのはもう充分だから、長さや高さを増やしなさい。大きく育て、らくさんや。

体温38.3℃。らくは診察台の上で、マッサージ器にかかっているようにブルブル震えている。
体温を測り終わって押さえられていた手が離れたら、らくは私の身体によじ登ろうとした。私は「怖くないよ。大丈夫だよ。」と言い、先生は「怖いよね。ごめんね。」と声をかけた。・・・そうだよね、怖いよね。怯えきってブルブル震えている猫に「怖くないよ」って言い聞かすのは、こちらの都合。猫の気持ちを無視している。
そのほうが安心でしょうからと言われて、キャリーに入れたままらくを預け、看護婦さんが奥に連れて行った。らくは、鳴かない。声も出せないほど怖がっている。
手術の同意書にサインをして病院を出て、税金と健康保険と年金の振込みをしてから帰宅。

家の中が、し〜んとしている。らくも、いつも騒いでいるわけじゃないのに、ただそこらで寝ていることのが多いのに、いないと部屋の中がすごく空っぽな感じがする。
いっちゃんを病院に預けて、一人で帰ってきたときのことを思い出す。同じように部屋ががらんと空っぽで、やたらと晴天なのが、いよいよつまらない気持ちを増幅させる。
くりくりは、そういうことは考えないほうがいいって言うけど、考えるんじゃなくて浮かんでしまうのだから仕方がない。
らくの猫ベッドを分解して、ベランダに干した。いっちゃんを病院に預けるたびに、王様シェルターの布団をみんな干してソファの掃除をした。ほら、浮かんじゃう。今日のことも去年の今日のことも、区別が付かなくなってくる。

だけど、違うこともある。いっちゃんを預けて帰ってきたときは、何もする気がなくて何時間もただぼーっと座っていることが多かった。
今日は逆に、落ち着いて座ってられない。いつもはいい加減にする掃除だけど、あちこち埃を拭いて回る。棚やテレビやラックや、普段は見えないことにしている場所をムキになって拭いていたら、玄関ブザーがビービー鳴って宅配便が届いた。
らくのご飯と猫砂だった。猫砂は、サンプルでもらった「トフカスK]という“おからの砂”が以前に使っていたものよりよかったので、ネットショップを探し回って注文したもの。ご飯は別の店からだけど、同じ黒猫で一緒に配達されてきた。
狭い部屋のどこかに、らくがイタズラできない場所にこれらを隠さなくちゃならない。そんなこんなしているうちに午後になり、そろそろ手術開始の時間かとぼんやり思っていたら、また玄関ブザーがビービー鳴って、佐川のお兄さんがキャットタワーを届けてくれた。

あの、これ、すごくでかい箱なんですけど・・・。組み立てても、今日は遊べないよね。でも箱のまま置いておく場所はない。布団が敷けなくなる。
部屋に知らないでかい物がど〜んと突っ立っていたら、手術後で神経をすり減らして帰ってきた、らくのストレスになるかも・・・。でも、箱のまま置いておいたら、歩く場所もろくにない。
ええいと組み立てることにした。
説明書を見ながら、30分で組み立て完了。腕力はあるし工具の扱いにも慣れているので、なんてことはない。しかし、その後が大変だった。

設置場所を空けなくてはならない。ごちゃごちゃある物をどかしたら、買った覚えのない縫いぐるみが床に落ちていた・・・と思ったら、立派に育った埃の塊だった。掃除機で吸って、あちこち拭いて、よっこらしょとタワーを立てた。
ありゃ、窓が開けにくい。やりなおし。向きを変えて再設置。ステップの方向はこっち、いや、むこう。あ〜あ、これじゃ登りにくいね。やりなおし。
これでいいでしょうと、しっかりと天井の突っ張りを固定して終了。満足してステップをポンポンと叩いたら、振動が部屋に伝わる。壁にくっ付いているからだ。いかんいかんとやり直し、またポンポン叩いた。マシになったが、まだ振動がある。天井と突っ張りの間に、レンガの形のウレタンをがっちり挟んだ。ポンポンしてみる。・・・まあいいでしょう。許容範囲内とする。
今度こそ満足して、ゆっくりコーヒーでも飲もうという気になり台所へ。そこから眺めたら、タワーが傾いているのに気が付いた。・・・やり直し。

組み立て30分、設置に2時間半で午後の4時になった。タワーの場所を空けるために、どかした物をどこかに収めて辻褄を合わせなくては寝る場所がない。これをあっちに置くと、あれがはみ出る。あれをそこに置くと、そいつの行き場がない。
・・・パズルですか?答えはあるのか?
謎解きをしていると、近くに住む妹から電話。みかんとりんごを持ってきてくれるという。うわ、今は困る。ご飯と砂とタワーの梱包材が散乱し、猫だって玄関から部屋にたどり着けない。
しかしくれるというものは、万難を排してもらわねばなるまい。部屋から玄関まで力ずくで強行突破し、こちらから取りに行った。
自転車で、らくがいる獣医さんの前を「もうすぐ迎えに行くからね」と心の中で声をかけつつ通り過ぎ、3分で妹のマンションの前へ。ブツを受け取ってちょっと立ち話してトンボ帰り。さて、らくが帰ってくるまでに、この部屋を何とかしなくてはならない。

ばたばたと一気に物を動かし、梱包材をまとめて玄関の外に出し(明日が資源ゴミの日で良かった)、どうにか住める部屋になった5pm、獣医さんから電話がきた。
手術は無事に終わり経過も順調なので、5時半にお迎えに来てくださいとのこと。
お礼を言って電話を切り、コートを着て「まだ早い」と脱いだ。コーヒーを飲んでゆっくり待とうと思うが、座って飲めない。立ったままカップを持ち、用もないのにタワーをポンポン叩いたりする。
またコートを着て、まだ早いとまた脱いだ。煙草を点けてすぐ消して、またコートを着て・・・いいや、もう行っちゃおう。こんなに長い30分は、待っていられない。

5時半の5分前に病院着。すぐに診察室に通されて、今後の注意事項のプリントを渡されて説明を聞く。お水は夜の8時まで、ご飯は明日の朝までダメ。麻酔中は胃腸も動いていないので、覚めてすぐに飲んだり食べたりすると誤飲することがあり危険なのだそうだ。
傷口から血が滲むことがあるかもしれないが、ぽたぽた垂れっぱなしでなければ大丈夫だそう。今夜はなるべく狭いところで安静にし、動き回らないようにさせること。
抗生物質を朝晩3日間、絶対に飲ませること。

しっかり聞いておかなくちゃと思うけど、奥かららくの声が聞こえたら神経がそちらにばかり行ってしまい、先生の話を上の空で聞いていた。
説明が終わり看護婦さんがキャリーに入ったらくを連れてきてくれて、すぐに抱っこしたかったのに、すかさず先生から「これに記入してください」と書類を渡されてしまった。
世田谷区の去勢手術の補助金が間に合ったので、その申請書だった。
全然難しいものじゃない。一分もかからないはず。なのに、どうしても間違える。猫の名前の欄に自分の名前を書き、猫の柄には住所を書き、病院のハンコの場所に自分の印を押し・・・。
いやになった。4千円の援助を受けるために、らくを撫でるのが何分か遅れるのが気に入らない。金なんかいらん!と書類を丸め、らくを抱っこしたいが・・・ぐっとこらえる。余裕のない家計なんだよ〜。ちくしょ〜。
3回目に「また間違えました〜。もう一枚ください〜」と半泣きで言ったら、次は先生が付ききりで監視してくれたので、やっと書き終えた。バカ丸出しだ。

帰宅するなり、らくはタワーへ直行。あ、今日は遊んじゃダメだよ・・・くんかくんかして、興味なさそうにすぐ離れた。ああ、良かった・・・けど、つまんない。
次はトイレに行っておしっこして、カチカチコロコロのうんこちゃんをした。今までこんなにコロコロなのは、したことがない。水を飲まなかったからかな。病院でおしっこをしなかったようだ。
キャリーを片付けるのに一瞬目を離した隙に、らくがお水を飲んでいた。8時までダメって知らなかったから、迎えに行く前に用意したものだった。びっちゃびっちゃ飲んでいるのを見たら、すぐに取り上げることができなくて、何事も起きませんようにと念じながら飲ませてしまった。それから、お水の器を片付けた。
ニコタマを舐めようとして大また開きになったので、手術跡が見えた。真っ赤々で、ぷりぷりがえらく小さくなっちゃった、。怖くてちゃんと見れない。
舐めちゃダメと手を出したら、「びょん!」と怒って猫パンチをくらった。爪は出していないけど、本気っぽかった。
しばらく落ち着かない様子で、部屋をあちこちうろうろ。そのうち日向ぼっこ以外ではあまり寝ない人用ベッドで熟睡。3時間くらいで起きて、猫ベッドに入ったがすぐに出て、本棚の上で熟睡。
たまに起きて、元気な声で「びょ〜ん」と鳴き猫ベッドにくるが、すぐに出て本棚に逆戻り。
昏々と眠る。麻酔で疲れたのかな。緊張のあまりの疲労か。ごめんね。

ご飯の要求をされたらどうしようかと心配していたが、食べるより眠るほうが先らしい。

2003年12月20日(土) まだお疲れ 
3am、らくご膳の前で「めし〜」と催促。明日の朝って、何時からが朝だろう?早起きの人なら、もう朝ごはんの時間だよね。屁理屈をこねまわしつつ、いっぺんに食べたら良くないので、カリカリを6gだけお皿に入れた。らくは半分だけ食べて、うろうろと歩き回り、また本棚の上で眠った。
ご飯解禁になったので、私も作っておいたキャベツのスープを飲んだ。夕方までは「腹へった」と思っていたのに、それを通り越したようで空腹感はなかったが、私もらくと一緒に食べたかった。
5am、さっき残した半分をきれいに食べたので、カリカリを追加し私も寝た。らくは元気でご飯も食べている。大丈夫だ。

昼に起きたら、らくも一緒に起きた。窓辺で日向ぼっこ。いつもと変わらないようだけど、どこか様子が違う。まだ疲れが抜け切っていないようで、なんとなく精気がなくぼ〜っとした感じ。
ご飯をばくばく食べて元気に鳴くし、普通に動き回っているけど、どこか猫が変わったみたい。

タワーには見向きもしないし、乗せてもすぐに降りてしまうので、くりくりが悲しそう。くりくりが買ってくれた猫用品だからね。
いっちゃんには猫缶を3個買ってきてくれたことがある。らくには、おもちゃを1個買ってきてくれたことがある。だけどそれだけ。病院代やご飯代、砂やその他もろもろ、くりくりに頼ったことは一回もない。
らくのお散歩をやめたとき、前から欲しかったタワーを買おうと決心した。らくはまだ5kg弱だけど、まだ大きくなるかもしれない。丈夫なのを捜していたら、サンセイという会社のは10kg級の猫が数匹で遊んでも10年はもつというふれこみだった。評判もいいようだが、値段が高い。
くりくりに、冗談半分で持ちかけた。
“いっちゃんは私の猫だから私が費用を全部出すのは当たり前だけど、らくは二人の猫だから、タワーを買ってくれ。お金があれば私が買うけど、あいにく今は貧乏だ。くりくりは今までらくの費用を出したことないんだから、ここでひとつタワーを買ってくれ”
・・・信じられないが、成功した。いざお金を振り込む段になったら、5千円、だめなら3千円だけ出してくれとか、せこいインド人の商売人のようなことを言い出したが、結局払ってくれた。

タワーの明細
定価:\68,000  20周年感謝セールの対象商品で、特価:\50,000  早期購入申し込み(30日営業日以降のお届け)で、更に一割引&代金前払いで、送料2千円が無料。
結果、\47,250でご購入。
12月15日に振り込んだので届くのは2月かと思っていたら、むこうの手違いで昨日きた。ラッキーだった。これもいっちゃんのご加護か?宝くじも買えばよかった。手違いで3億円当たったかもしれない。

夜になってタワーにまたたびを擦り付け、らくをハウスに入れたら、中で3時間も寝ていた。その後はまた無視してるが、くりくりは少し報われてうれしそうだった。

夜のうんこちゃん、久しぶりに形が崩れるほどの軟便。絶食していきなり食べたからかな。様子を見ることにする。

私もなんだかやたらと疲れていて、一日中胃が痛い。らくと一緒にぼんやり、だらだら過ごした。

2003年12月21日(日) ツメ切りサービス? 
午後から仕事。くりくりは休みなので、らくの留守番はなし。

らくの爪が短くなっているのに気が付いた。病院で切ってくれたようだ。うちでも切るが、私は怖がりなので、あまり短くできない。
ちゃんと爪の芯の、赤い部分ぎりぎりに、きれいに切り揃えてある。料金は払っていない・・・サービスか?もしかして、病院で暴れたので切られたのか?

ニコタマを舐めようとするたびにネコジャラシを振ってらくの気を逸らすが、少し血が滲んでいた。このくらいは大丈夫と説明されているけど、やっぱり怖いよ〜。
今日になって、やっと手術跡を直視できた。赤みが少し薄くなったような気がする。毛が剃られている。
中身がなくなり萎んで皺が寄ったのか、小さくなった表面は縮緬みたい。ちらりと見て、赤くてラズベリーにそっくりと思っていたが、ちゃんと見たら、いよいよラズベリーだった。
立派なタマタマだったのに・・・ごめんね。

写真:タワーを登ると、そこは王様だった。(自分からは乗らないので、乗せてやる。)

2003年12月22日(月) いっちゃんとラクシュミー 
ちょっと前の日記で、らくの行動が大人になってきたようだと書いた。他にも変わったことがある。
★ うちにきたばかりの頃は、なにかっていうと、うるさいくらいに喉をゴロゴロ鳴らしていた。今では、ご飯をお皿に入れているときにお座りして待ちながら、小さくゴロゴロさせるだけ。
★ いきなりダッシュで走り出して部屋中のあらゆるところに飛び乗りまくり、狂ったように暴れていた。この破壊活動も、気がつけばめったにやらなくなった。
★ 両手でしがみついたあげく猫キックをかますので、以前は私の手に細かい傷がたくさんできた。今でもたまにやるが、皮膚にツメが食い込んで怪我をすることがなくなった。力を加減しているらしい。
★猫パンチのときに、ツメを出さなくなった。
★ 思い切り噛まれることがなくなった。甘噛みしかしないので、キバで怪我をしなくなった。

去勢手術後に変わったこと。今だけの期間限定かもしれないが・・・
★ 撫でられるのを、嫌がらなくなった。以前はすぐに噛んだり離れていったりしたが、今は大人しくずっと撫でさせてくれる。
★ 抱っこもあまり嫌がらない。ずっとというわけにはいかないが、しばらくは抱かせてくれる。
★ 外に出せと言わなくなった。
★ 手術前は、よくわめく猫だったのだが、あまり鳴かなくなった。

私に怪我をさせないようにツメを出さなかったりキバの力の加減をしたり、寡黙になったり、これじゃまるで大人の猫だよ。まだ破壊活動家の暴れ山猫でいいのに。
何の遠慮も怖いものもない天真爛漫な子猫の時期は終わり、ちょっと屈託して味のある大人猫になってきている。それはそれでいいけれど、らくの成長が早すぎて私の気持ちが追いついていけない。

喉をゴロゴロ鳴らすで、不思議なことがある。
いっちゃんは、一回も喉を鳴らしたことが無い。いっちゃんのゴロゴロは20年間で、一回も聞いたことがない。その代わり、撫でられていて気持ちがいいと鼻息が荒くなり、「ずび〜ずば〜」という音を出す。
らくが来たときは、あまりに盛大に正しく「ご〜ろぐるぐる、ごろご〜ろ〜ぐるご〜ろ」と大音量で鳴らすので、おお、これが喉ゴロゴロか、念願の音を聞いたぞと興奮した。
ところが今は、めったに聞けない。撫でると気持ち良さそうに喉を伸ばし、「ずび〜、ずば〜」と鼻息が荒くなる。・・・いっちゃんとまるっきり同じだ・・・。
喉を鳴らさないいっちゃんは、ちょっと変わっているのかと思っていたが、らくも同じになった。私が知らないだけで、そういう猫さんは多いのかな。

外に出せのお散歩問題でも、分からないことがある。 最初にらくを散歩に連れて行こうと思ったきっかけは、玄関が開く度に外に出ようとし始めたからだった。 脱走されるくらいならリード付きの散歩で外への興味を満足させてやり、その上「お外はハーネスを着けてから出るもの」という認識を植えつけようと思ったからだった。それは軽率な判断だったが、よく分からないところがある。

最初はマンションの外廊下だけだった。階段を降りる度胸は無いだろうと思っていたのに、後から付いてくる私を振り返りつつも、らくは躊躇なく廊下の端まで行って階段を降りようとした。計算違いだった。これではもし脱走したら、1階まで降りて建物から外へ出てしまう。
それで、神社に行くようになった。抱っこして、すっぽりショールで包んで、着くまでの道中は見せないようにした。 「神社は草むらがあって、登れる木も生えているし楽しいけど、抱っこされて行くところで一人では行けない」と認識させたかったから。
この作戦は成功したかどうか不明だが、らくは神社の散歩が大変に気に入り、いつまでも帰りたい素振りがない。1時間くらい遊んで適当なところで切り上げるのだけど、帰ってきた途端に「もっかい〜。お外〜」と、玄関ドアに張り付いていつまでも鳴き叫ぶ。 もう一回行っても、帰ってきたら同じことを繰り返しそうだ。らくに付き合って、一晩中神社にいるわけにもいかない。

ノラになりたいのか、らくさん?
いろいろあって習慣になりつつあったお散歩をやめた最初の日は、ドアに張り付いて外に行くんだとわめき続けた。 次の日は、わめく時間が少し減った。 それから段々、日を追うごとに要求が減っていき、5日もしたらほとんど無くなった。
そして去勢手術から帰ってきてからは、外に出せとわめいたことは一回もない。 外への興味がまったくなくなったわけではなく、玄関が開くと無言で隙間から出ようとすることはある。でも押さえられて出られないから、そのまま文句も言わずに黙って部屋に戻っていく。廊下の散歩を始める前と同じ状態に戻った。

これは、どういうことだろう? 散歩に行っていたときは、外が楽しくて、行っても行ってもまだ行きたい。帰ってくるなりもう一回の催促をするが、かなえられないので欲求不満になり、わめき続ける。 今は諦めたのか、外へ出たいと言わなくなった。諦めたら欲求も起きないから、欲求不満でイライラすることもない。 どちらがいいのか分からない。私は諦めてくれて都合がいいが、らくにとってはどうなのか。

らくが自分で、キャットタワーのステップを一段だけ登った。もっと上に行こうとして迷ったあげくやめたけど、少しは興味が出てきたらしい。ステップからハウスに入るのが難しそうなので、ちょっと改良が必要かもしれない。説明書通りに組み立てたのになあ。他の猫さんは、なんなくハウスまで登っているのか?らくの運動神経がいいと思っていたのは、もしかして勘違いかも。どんどん鈍くなってきている気がする。
・・・いっちゃんと同じじゃないか・・・

写真:ハウスに登る道を模索中。1分後に断念。

2003年12月23日(火) 心の傷 
手術後、猫が変わったようになったまま元に戻らない。
わめかない、いたずらしない、破壊活動もしない。黙って撫でられている。
ご飯はよく食べる。
ネコジャラシを振ればじゃれてくるが、「しょ〜がね〜な〜。ちっとは遊んでやるか〜」といった態度で、お義理にちゃいちゃい付き合ってくれる感じ。
体調が悪いのではないと思う。つまらなさそうな、気持ちが明るくなれないというような・・・。
たまに鳴くが、呼ぶと返事をするが、前のように「びょん!ぎゃぎゃ〜お!!」といった、きかない声じゃない。「みょ〜んんんん・・・」と、情けない声で鳴く。たったの生後8ヶ月で、猫生の悲哀を知ったような声で鳴くなよ〜。こちらが泣きたくなるじゃないか〜。

そのうち、あのうるさくて気が強くて強引な暴れ山猫が戻ってくるのか?戻ってきてくれ。
らくはらくでいいんだよ。いっちゃんみたいに穏やかで、どっしりの王様になる必要はないんだよ。らくは可愛い。どんなにいたずらしたって、可愛い。だから暴れてくれ〜。

病院でどんなに怖かったのか、小さい頭の中でどれだけの恐怖を耐えたのかと思うと、かわいそうでどうしようもない。
病院から帰ってきた日に、新聞の勧誘が来て玄関ブザーが鳴ったら、らくは飛び上がって奥の部屋に逃げた。昨日、宅配便が来たときは逃げないで、荷物を受け取るのも監視していた。少しは落ち着いてきたのかな。
身体の傷のニコタマは、腫れも出血もないので順調に治るだろう。心の傷も、ゆっくりでいいから癒えて欲しい。本来のらくに戻りますように。

2003年12月24日(水) 山猫復活 ななちゃん、お家へ帰ろう
寝ているときに、かしかしと微かな音が聞こえて目が覚めた。うんと疲れているときは別だけど、いっちゃんの闘病以来、小さな物音でも目が覚める癖がついている。
外が明るくなりかけた薄暗闇のなかで、らくがタワーの一番下のステップによじ登るのが見えた。上を見上げてしばらく考えているようだったが、それ以上は登らずに床に降りた。
スペースを節約しようとして、タワーのステップの向きがすこしおかしい。やっぱりそれじゃ登れないんだ。

朝起きてすぐ、タワーの再設置。部屋のいろいろの配置より、タワーを優先することにした。
ステップの向きを直したら、らくが自分で登るようになった。ハウスにも自力で入ってくれた・・・そして、出てこない。入りっぱなしになってしまった。
夜になって降りてきて、私の顔を見ながら手術後初めて「うびょ〜んん!!」といばって鳴いた。遊べの催促だ。
ネコジャラシに飛びついて、ありとあらゆる所に飛び乗り、全てをなぎ倒して走り回る。それでこそらくだ〜!嬉しくて、いつまでも遊んでいたが・・・ちょっと、いやかなり、うるさいぞ。まあ、それでこそ山猫らくだ。その調子でやってくれ。

深夜に、ネットの猫友達のみっちゃんからメール。ななちゃんが外に出てしまい、まだ見つからない。ななちゃん捜索に全力を尽くすため、ネットにはしばらく来られないかもしれない・・・と。
そしてそんなに大変な状況なのに、みっちゃんはらくの心配をしてくれている。らくを外に出さないように・・・と気にしてくれている。

ななちゃんは、絶対に帰ってくる。外に出たばかり、迷子になりたてはパニックで、物陰に隠れるのが精一杯だと思う。でも少し落ち着いたら、みっちゃんの呼ぶ声に答えるはず。絶対に無事に帰ってくると信じている。
ななちゃん、早くみっちゃんのところに帰っておいで。戻ってくるのを待っているよ。心から、待っているよ。信じて待っているよ。

2003年12月25日(木) 山猫完全復活 
今猫トイレは、おからの砂と紙の砂を混ぜて使っている。掃除して砂を総入れ替えしたら、まだおから砂しか入ってないのに、慌ててやってきて用を足すらくさん。おしっこ玉を片付けて、ざらざらと紙の砂を入れたら、また慌ててやってきてトイレの中で構えた。たった今おしっこしたじゃない。もう出ないでしょと思っていたら、うんこちゃんをした。・・・もようしたからじゃなくて、しなくちゃならないで出せるんか?そこまでして、臭い付けしなくちゃならんのか?らくのトイレはらくしか使わないんだけど・・・なんだか感心してしまった。なんだか、アッパレだ。

うんこちゃんを片付けていたら、背中越しに「どた、どす」と聞こえた。振り向くと、らくがタワーの天辺から私を見下ろしていた。
一人で登り、ハウスを通り越して、その上の天辺にいる。天辺!やればできる子だと思っていたよ。
しかし登ったはいいが、降りられなくて困っている。自力でなんとかしなさいと眺めていたら、天辺から直で床に飛び降りる姿勢を取った。ちょっと待て!いくらあんたが山猫だって、それは無茶だと思うぞ!見ていなかったから詳細は分からないが、登ったんだろ?来た道を帰ればいいんだよ〜。私が椅子に乗り、「ここからだよ」とステップをポンポン叩いて教えた。らくは「あ、そうか」という顔をして、そこを降りてきた。
らくは、そんなにバカじゃないと思っている。いっちゃんほどではないが、猫として普通にそこそこ賢いと思っているけど、ときどき自信がなくなる・・・。

今日のらくは、元気の塊。
スポーツクラブのプールに行って(クリスマスの夜のプールはすいてて気持ちいいだろうなと思ったが、いつもと変わらないだけの人がいた)買い物して帰ってきたら、たった2時間半の留守番なのに、まとわり付いて離れない。ごろんくにゃんと盛大にアピールし、足元で「遊べ〜、びみょ〜ん!!!」とエラそうにわめく。
ネコジャラシを振ると、走る!飛ぶ!滑る!ぶつかる!柱にぶつかってるのに、夢中になるあまりそのまま走ろうとするから、柱と相撲を取っているみたいになっている。何秒かもがいて、やっと前に障害物があって進めないのだと気が付き、横にそれてダッシュ再開。・・・らくの賢さに自信を失う光景がまた・・・。
何時間も暴れ回り、破壊活動を散々やって、タワーの天辺で寝た。起きるとまた、いくらでも遊ぶ。手術前でも、こんなに暴れたことは久しくなかった。もしかしたら、傷が痛かったのか。痛くて跳んだり走ったりできなかったのが、もう大丈夫になって爆発したのか?
らくが元気になって、うるさくなって、よかった。

クリスマスといっても、特別なことは何もない。くりくりは遅くまで仕事だし、らくにまぐろのすきみを買ったが食べないので、猫缶を開けたら爆食一気食い。いつもと同じ一日。
去年のクリスマスは、私もくりくりもどうしても休めない仕事が入ってしまい、それでもなんとか、くりくりの方を夜からにしてもらって、いっちゃんのお留守番を数時間にした。その数時間が心配で心配で、気が気じゃなかった。何事もなくてよかったが、あの気持ちは今でも忘れられるものではなく、思い出しても胃が痛くなる。
今年のクリスマスは、いつもと変わらない一日。何事もない日常の一日で嬉しい。

らくは、いよいよお刺身を食べなくたってきた。獣肉、それも牛とくじらが好きなようだ。
昨日のことだが、らくがビーフの猫缶を爆食し、その30分後くらいに「アメリカでBSEの牛がでた」というニュースを読んだ。
・・・らくの猫缶!さっき食べたのはヨーロッパのメーカーで、狂牛病が出ていないオランダに工場を持っているので大丈夫だと思う。カリカリは・・・全部調べたが、今らくが食べている中にビーフや肉骨粉が入っているアメリカ製のフードはない。大丈夫だと思うが・・・昨日今日食べてないから、大丈夫という話しじゃない。アメリカ(合衆国)のペットフード業界は何か対応をしているのか?何かアナウンスはあったのか?日本の代理店もだよ。調べたが、情報が少なすぎて分からない。
今はとりあえず、アメリカ産のビーフが入っているフードは、カリカリも缶もあげないようにするくらいしかできない。
しかしなあ、工場が日本やヨーロッパやその他の国でも、原料をどこから仕入れているかは分からないしなあ・・・。早期解決を願う。

ななちゃんは、どうしているかな。その後みっちゃんから連絡はないが、きっと見つかると信じて祈っている。絶対に戻ってくる。みっちゃんが全力で手を尽くして捜しているのだから、戻ってこないはずがない。みっちゃんもななちゃんも、早く暖かいおうちで安心してゆっくり眠れますように。隣の神社にも、猫神様にも、いっちゃんにもお願いしてある。掲示板では、たくさんの人が心配して祈っていると書いてくれた。これだけの人の願いが届かないはずはない。きっと見つかるよ。ななちゃん、安心してはやく帰っておいで。


2003年12月26日(金) 術後の検診 
私は朝から仕事で、深夜に帰宅。らくの去勢手術後一週間めの検診には、くりくりが連れて行ってくれた。
何も問題はなく、経過は順調。かさぶたは何ヶ月か残るそうだ。

体重4.8kg。ご飯をちゃんと食べているのに、一週間前より100g減っている。
手術が終わってらくを連れて帰ってきた時に、なんだか胴体が細くなった気がしていた。心なしかウエストにくびれが見えるような・・・。家で体重は測っていない。ちょっとでも減っていたら、食欲も元気もあるのに、私が必要以上に神経質になりそうでいやだった。
しかし手術から1週間経っているのに、まだ以前より100g減ったままということは、術後すぐはどのくらい減っていたのかな。たった8時間半の入院・手術が痩せるほどストレスだったのか?なんてかわいそうな山猫らく・・・と思ったが、そういや手術の前後30時間ほど絶食しているので、痩せても当然だった。

もともと「肥満一歩手前」と警告されていたし、たった100gで大騒ぎすることもないのだが、いっちゃんにとっては100gどころか50gが大問題だった。それ以来、体重が減るのは恐怖になっている。
体重も血液検査の数値も多少の誤差はあるし、それだけで体調が決まるものじゃない。それでもコンマ以下の数字さえ気になった。
いっちゃんが食べたご飯が、昨日より2g少ない。ぴったり12時間おきに薬を飲ませなくちゃ。おしっこやケーの回数に一喜一憂する。呼吸数は、心拍数は、体温は・・・。
気が付いたら常に数字に縛られていて、ほんの少しの変化にぴりぴりしてしまう。
私といっちゃんの関係は、そういうものじゃないはずだった。ちゃんといっちゃんを見て触れていれば体調や気分は分かる絆があったはずなのに、私は気持ちに余裕がなくて、目に見える数字に頼るあまりに縛られて、あたふたしてしまう。いっちゃんの気持ちを無視していたのではないか。いっちゃんが伝えようとしていたものに、私は気が付かなかったのではないか・・・。
あと30年くらいたって(それ以上先でもいいが、私が先に逝ってしまう危険がある)、もしもらくが体調を崩したときには、ちゃんと心でらくの声を聞きたいのものだ。しかしいざその場になったら、またじたばたあたふたしそうな気がする。猫に愛想をつかされないように、こちらも少しは学習せねば。

ななちゃんが、まだ見つからない。みっちゃんからメールをもらっていたが、帰宅が深夜だったので読むのが遅くなってしまった。
一日のうちに、みっちゃんの息子さんが「ななちゃん捜索のHP」を立ち上げ、ぽんぽこさんがそれを皆に広め、ネットの猫仲間が次々にリンクを貼っていた。ぽんぽこさんはさらに、自分のHPの中にななちゃんのページを作っていた。
私は「ななちゃん、早く帰っておいで!」とひたすら願うだけで、そういったことを思いつかなかった。自分が捜しに行けなくても、せっかくネットで繋がっているのだから、リンクを貼って見てくれた人に協力をお願いすることはできるよね。何で思いつかなかったんだろう。いつも私はあせるだけで、何にも気が付かない。
ぽんぽこさんが行動を起こして、皆が動いた。私もあとから、どたどたとくっ付いた。ぽんぽこさんに感謝して、猫の輪にあらためて感謝して、ななちゃんは絶対に戻ってくると確信を強くした。

帰宅したら、うちのマンションに入ってすぐの壁に、迷い猫のチラシが貼ってあった。黒猫のミーちゃん、生後8ヶ月・・・。らくと同じくらいの子だ・・・。
ななちゃん、ミーちゃん、家族がこんなに心配しているよ。必死であなた達を捜しているよ。
一刻も早く帰っておいで。みんな待っているよ。

2003年12月27日(土) 元気の固まり 
近所のそこここに、黒猫ミーちゃんのチラシが貼ってある。家族の心配が伝わってくる。
いつもは自転車だけど、買い物に歩いていくことにして、草むらや物陰を覗きこみ、猫が潜んでいそうな隙間があれば「ミーちゃん」と呼んでみるが、返事はない。私が呼んでも、出てこないよね・・・。かえって怯えさせてしまうかも。名前は呼ばずに、姿を捜すだけにした。
うちの近所はごく普通の住宅街だけど、その気になって見てみると、猫が隠れそうな場所はたくさんある。寒さや雨風をしのげそうな場所もけっこうあり、ななちゃんもミーちゃんも、安全な場所に隠れているに違いないと思う。
家族の声が聞こえたら、勇気を出して答えるんだよ。もっと勇気を出して隠れ場所から出て、声の主に飛びつくのもいい。でも車には気をつけるんだよ。
そして家族に抱っこしてもらって、おうちに帰ろう。早くその時がくるといいね。早く来ますように、祈っています。

そして一方、今日のらく。元気で、いっぱい食べて、よく遊ぶ。
すごい勢いでスライディングするので、摩擦で肉球から煙が立たないかと心配になるほどだけど、とてもありがたいことです。
ニコタマのかさぶたが取れて(舐め取った?)、真っ赤々だったのがピンクになっている。

手術後3日間、抗生物質を飲ませていた間は軟便だったのが、今はいい固まり具合に戻っている。ペットイノキュラントは腸内バクテリア&免疫グロブリンなので、抗生物質を飲んでいる間はお休みしていた。飲ませても、バクテリアは抗生物質でやられてしまい、腸に届かないと思う。
抗生物質が終了し、ペットイノキュラントを再開した途端に、軟便が直った。といっても、ペットイノキュラントのおかげとは考えにくい。便を固める薬ではなく、腸内環境を整えるサプリメントなので即効性はないと思う。
抗生物質で軟便だったのか、もしかして手術のストレスでなったのが落ち着いたのか。絶食後にいきなり食べたので、びっくりした腸が気を取り直したのか?
ま、なんでもいいや。治ったし。

ペットフードのBSE対策について。
ナチュラルバランスとアズミラでは、日本の正規代理店が「原料に危険な部位は使用していないので、大丈夫。証明書もある。」と、簡単な言い方をすれば、このようなアナウンスを出している。・・・でもアメリカ産の牛肉も加工食品も、輸入禁止措置が取られてスーパーの棚から消えた。
解体のときに、脳や脊髄などの危険な部位が絶対に肉に接触しないってことはないと思うが・・・。同じ包丁を使っていたら、それだけで危険ではないのか?人用の肉は危ないから売らないけど、ペットフードは安全なのか?
気にしすぎると食べさせるものがなくなるが、もうしばらくビーフを使ったアメリカのフードはやめておこう。

うっずさんのHPが、しばらく前から「作者の都合により、一時閉鎖いたします」となっていた。今日は、「ページが見当たりません」になった。うっずさん、元気かな。

写真:上から私を見下ろす、らく。なんてエラそうな顔だ・・・。あんたは、まだ偉くないんだって。

2003年12月28日(日) コヨーテの行き着くところ 
今日は、いつもよりご飯を食べない。
置いてあるカリカリをなかなか食べないので、猫缶を開けたら爆食一気食い。
元気に跳ね回って遊んでいるし、大丈夫よね。

私のショート丈のドカジャン(下品な防寒着のことです)が、ファスナーがバカになって閉まらない。安いのがあったら買おうとずっと思っていたが、年末セールで9800円のが3900円になっているのを見つけた。
フードにファーが付いている。うさぎかなと思いつつ、何気なくタグをチェックしたら『コヨーテ』と書いてあった。・・・コヨーテってあなた・・・。これは、どう解釈すればいいんだ?
牛や豚や羊の皮革、ウサギの毛皮などは、食用にお肉をいただいて皮も利用させてもらう・・・と考えられる。私自身はあまり好きじゃないから買わないが、装飾のためだけに無闇に命を奪われたわけではないし、せっかくだから余すところなく利用したほうがかえって親切だとも思う。
しかしコヨーテは・・・食べないよね。自然死するコヨーテだけで、3900円で大量に売られているコートの装飾に間に合うとは思えない。好意的に考えて、コヨーテが異常繁殖して生態系が崩れかけているので、人為的に数合わせをし、毛皮を利用・・・か?うう、それでもなんかイヤだ。毛皮用に繁殖しているのが一番近いのではと思うが、どちらにしても人間が手を下している。キツネやらミンクやらアザラシやら、他にもそういう動物はたくさんいる。食べるのなら、いい。生きていくために他の生き物を食べるのは、自然の食物連鎖でしょう。昔は肉を食べ、毛皮で身体を守り、油を取って燃料にし、全て使って人間が生き延びてきた。でも今の時代に、食料じゃない生き物に手を下す必要があるのかなあ。
3900円のコートのためと思うと、余計に悲しい。

疑問はさらに続く。食べないのなら、毛皮を剥いだあとの身体はどうするのか。コヨーテの生息地は、アメリカ大陸。カナダ、アメリカ合衆国、メキシコと広がっている。
合衆国とカナダのレンダリング工場では、病気の動物・障害のある動物・交通事故にあった動物・実験に使われて薬漬けにされた動物、種を問わずになんでもかんでもいっしょくたに溶かし、混ぜ合わせて脂を搾り取り、残ったカスを乾燥させて、これで肉骨粉のできあがり。それが家畜の飼料となり、ペットフードの原料となる。搾った脂は、洗剤や石鹸、ペットフードにも風味付けや動物性脂肪として添加される。コヨーテも、レンダリング工場に売られたのか・・・。

いっしょに溶かされるものは、まだまだある。スーパーで売れ残り腐った肉が、パックごと釜に放り込まれる。亡くなった犬や猫なども、獣医経由や動物保護センターから送られてくる。ホルモン剤の打ちすぎで検査に引っかかり、売れなかった牛や豚も来る。皆、首輪をつけたまま放り込まれるそうだ。諸説あるが、レンダリングはおよそ125℃前後で行われ、肉骨粉になってからは200℃で消毒されるらしいが、薬の毒性は消えないし病原菌は死に切らない。
合衆国の行政機関の言い分では、動物の亡骸を放置しておいては不衛生で病気が蔓延する。全部焼却処分したら、大気を汚し環境を破壊する・・・だそうだが、それでは京都議定書の一件はどういうことか。そうして作った肉骨粉でBSEが発生するのは、環境破壊ではないのか。
矛盾だらけに感じる。

レンダリング工場は、世界中にたくさんある。ヨーロッパにも、日本にもある。イギリスでは、以前は病気の牛もいっしょに加工してたが、BSE問題が表面化してからは禁止されたそうだ。
犬や猫などのコンパニオンアニマルについては分からないが、どうなのだろう。
日本では、犬や猫はレンダリングされていない。全ての自治体を調べてないので断言はできないが、知る限りでは保健所に収容された動物も、身元不明の動物も、みんな焼却処分となっている。まとめてお寺さんでお経をあげてもらっている自治体もある。ほんとかよと突っ込んだが、実際に焼却処分された動物の供養を請け負っているお寺さんがあったので、本当かもしれない。

亡くなったペットはペットの蛋白源というのは、あまりに実用的すぎてついていけない。もちろんアメリカ人だってカナダ人だって、知ったら不快だし嫌悪感を感じるだろう。私は、嫌悪感以上に、罪を感じる。理屈ではなく、やってはいけないことのように思ってしまう。自分では無宗教だし信仰心もほとんどないつもりだけど、無意識の底では仏教思想の影響があるのかもしれない。
動物愛護の面では、日本より欧米のほうが意識が高いと思うところがたくさんあるのだけど。

しかしアメリカ、カナダ産のペットフードにだけ注意すれば、ワンやニャンの共食いが避けられるようでもない。他の国の事情は分かっていないだけで、同じような状況の国はたくさんあるかもしれない。アメリカ・カナダの場合は、問題意識を持ち、調査して世の中に発表した人達がいたから明るみに出た(しかし、ほとんどの消費者は知らないらしい。業界は隠しているわけではないが、マスコミはなるべくこの話題を取り上げないようにしているようだ。)。
それに、すべてのレンダリング工場が無差別になんでも買い入れて加工しているわけでもない。すべてのペットフードメーカーが、無差別なレンダリング工場から原料を買っているわけでもない。

日本のレンダリング工場では犬や猫は加工していないので、日本製のフードには犬や猫が入っていないとはいえない。原材料の肉骨粉をどこから仕入れているかは、分からない。現に牛の飼料の肉骨粉は、イギリスからもアメリカからも輸入していた。
ペットフードの工場が日本にあれば、『原産国:日本』と表記されるが、原料の仕入先を記載する義務はない。
ちなみに大手のほとんどのペットフードメーカーでは、自社直営のレンダリング工場を日本国内に持っている。調べれば、所在地も所有している会社もすぐに分かる。原料の調達先および内容は不明。

らくの日記なのに、コヨーテの毛皮つきコートを見たばっかりに、ずれにずれて怒りの日記になっちゃった。
たまには、こういうこともあるのさ。ぎゃお〜す!!

らくも、ぎゃお〜す!ファイトだ、ボンバイエ!(写真参照のこと)

2003年12月29日(月) ご飯に飽きた 
今日は、昨日よりさらに食べない。猫缶は一気食いした。元気に暴れる。
・・・カリカリが気に入らなくて、食べないのか。
らくの飽きっぽさは、どうしたことでしょ。おもちゃもすぐに飽きるし、ご飯もすぐに飽きる。猫にはもともとそういった資質はあるようだけど、らくのは猫一倍だと思う。
いっちゃんは、違うカリカリをあげると最初だけ面白がって食べるが、すぐに嫌がるようになる。そして毎度お馴染みのモンプチに戻っていた。
らくは、一回飽きるともう絶対に食べない。久しぶりにあげても、がんとして食べない。
新しいのが欲しくてハンストする。で、お約束どおりに私が負け続けてきたが、もう食べるものがないよ。らくさん、いったいどうしたいんだい?カリカリの種類は無限じゃないんだよ。
・・・わしか?わしが負けるからいかんのか?きっと、そうなのね・・・。
らくが猫でよかったわ。もし人間の子供だったら、どうなってたことやら。猫だったら、我がままでもグレてもたかが知れている。社会に迷惑はかけないしね。
つくづく、私に人間の子供を育てる資格は無いと思う年末の夜。

2003年12月30日(火) 猫ボランティアさん 
らくを保護してくれていた猫ボランティアさんに、いくらかフードを送った。らくはサイエンス・ダイエットの猫缶をしょってうちにやってきて、しばらくはそればっかり食べていた。他のものをあげても食べないので、サイエンス・ダイエットを少しまとめ買いしたら、その途端に食べなくなった。1ヵ月後にあげても全然食べないので、そのまま山積みされていた。
いっちゃんがよく食べていたモンプチ子猫用の猫缶も、まとめ買いして積んである。らくが食べてくれるかと思ったが、完全に猫またぎされたので、そのまま残っている。
猫ボラさんのお宅は猫さん三十数匹に子猫も常時新たに保護されているようなので、それらを使っていただきたいと送らせてもらった。
いっしょに、らくの写真も送った。大きく成長したらくを見てもらおう。

らくは、カリカリをぼそぼそ食べて、猫缶はやる気で爆食。
うちにきた当初もそうだったな。ある日ぴたっと猫缶を食べなくなって、カリカリ派に転向した。
同じように、そのうちまたカリカリを食べるようになるのかな。なってくれ〜。

2003年12月31日(水) えび・ハイ 
昼間は、ほとんど食べなかった。お皿のカリカリの匂いをかいで、戻ってくる。
夕方に猫缶をあげたら、やる気満々で食べた。
夜は海老天の衣を脱がして中身だけあげたら、はぐはぐといくらでも食べて、そこそこ大きいエビを丸ごと一匹食べた。食べ終わるなり大興奮して、部屋中をモモンガみたいに飛び回る。えび・ハイか?

 2003年12月 

日記の山トップ日記の山トップへ