まりすけちゃん@うてさん    

一目ボレから絆へと、そして15回目のバースデー

まりすけに出会ったのは、15年近く前の9月23日。
ちっちゃい500グラムの無邪気な子猫でした。

私は実はもともと猫が好きではなく(単なる先入観)、犬派を公言していたのですが、友人の結婚式に、生まれて間も無い捨て猫をこれから実家に連れて行くと言って、連れてきていた人がいて、それを見た途端、「欲しい!」と思ったのです。 確か、8月10日過ぎころでした。
彼女はそれから埼玉にその猫を連れてゆくのだと言っていました。
その猫はまりすけそっくりの毛並でした。
私は今でもあの猫がまりすけだったんじゃないかと疑っています。

それから一ヶ月。
私は何故か、「猫が落ちていたら拾おう」と心に決めて、道端を探しながら歩くようになりました。
そんなとき、うかがった埼玉のお宅で、近所で捨てられていた猫を拾った女のコが「この猫いりませんか」と偶然連れて来たのが、まりすけでした。
一目ボレ!
猫って、こんなに、こんなに可愛いの?!と心はわくわく大興奮。
そして、カルカンをそのお宅から2個頂いて、靴箱に入れられて、まりすけはうちにやってきました。

ウチにやって来たとき、「ここはぼくんちじゃない!どうしてこんなところに連れてきたんだ!」と言って、ちっちゃい身体で全身で寂しさと怒りを露わにして、抗議されました。
そして、ベッドの脇の隅っこで、悲しそうに寝ていました。
それから数日は、私は怒られっぱなし!
そのころ私は家にいることが多かったので、ふたりで顔とつっつき合わせていたのだけれど、ちっこいくせにものすごく意志の強い「モノ」がいて怒っていて、ふたりで何だか煮詰まってしまって、「こんなモノを私は貰ってきてしまって、この先私はどーしたらいいの?」と途方にくれて、その煮詰まった雰囲気に耐えられず、ただそれだけの理由で自転車で新宿まで行ったのが何故か忘れられません。
帰ってきたら、まりすけは寂しかったらしく、ちっちゃい身体をもっとちっちゃくしてしょんぼりしていました。
そして、少しだけ仲良くなりました。

その後、ちょっとしたことで泣いていた私に最初びっくりしていたけれど、すぐに近寄って来て、ぐるぐると喉をならして私の膝に乗り、慰めてくれました。
そして、完璧に絆が出来たのでした。
それから、まりすけはいつも私を守ってくれるようになりました。
ちっちゃい身体で全身で何があっても本当に守ってくれたのでした。
私も生活の変化などいろいろありましたが、まりすけを幸せにすることを判断の基準にして、今まで生きてきました。
本当に私を育ててくれたかけがえのないまりすけです。
興奮するとタイヘンですが、ほんと可愛い良いコです。

そのまりすけが、本日、15歳の誕生日(推定)を無事迎えることが出来ました。
15歳っていうと、とても感慨深いです。
今日は、会社をお休みにしていて、まりすけのお祝いの一日になります。
昨夜は「かつおちゃんとかいかちゃんとか、食う?」と尋ねると、その言葉だけで目がうっとりして喉を鳴らし出すまりすけ。
お刺身を食べて体調を崩すことが多かったので、最近は本当に稀にほんの少ししかお刺身をたべさせていません。
今日も、あんまりたくさんではありませんが、お祝いだから、ちょっとどきどきしますが、用意をしようと思っています。
暑いからお散歩は出来ないかなー。夕方少し行くかもしれません。

写真は、子供の頃のまりすけです。

2005年8月9日

 

かずかずの武勇伝を持つまりすけ。ペット探偵を出動させたことさえありました。
それでも今日も、うてさんは・・・

今日はまりすけに一日ご奉仕をしました。
一時半から五時過ぎまで、まりすけのお散歩にお付き合い致しました。

自転車の前の籠にまりすけを乗せて出発進行で河原まで行ったのですが、工事をしている場所もあるため土壌が悪く、道ががたがたで、まりすけは伸びた爪が籠にひっかかるし、がたがたが気に食わないしで、だんだん機嫌が悪くなり、目的地直前で怒り心頭。
ハンドルを握る私の手をふがふが言いながら噛みだし・・・傷・・・私は人間がもしかして出来てるのかしらと思うくらい、それでも優しい声で、「ごめんねごめんね、もうすぐだから許してね」なんて言いながらいつもの場所に到着。

まりすけはお気に入りの場所に行き、そこで早速寝そべり小一時間。私は側の木の下で本を読んで過ごしました。
そうしているうちにまりすけはのっそりと立ち上がり、移動。
バーべキューをしている家族に可愛いなどと言われ、いい気になってその場で寝そべり、また移動。
今度は私はお付き合いしたくないような藪のなかに入り込み、そこでまた寝そべり、私は少し離れたところでずっと立ったまま、ひとりもんの犬が突然来ないか、そこは釣堀の側で、釣堀のお魚を貰って暮らしている野良の猫さんに遭遇しないかなど、立ったまま目をぎらぎらさせながら一時間強。

そしてまた移動するわけですが、移動するにあたって私が5m以上まりすけに近寄ると、うがーだのはーだの言われて、すみませんと言って立ち止まり、また5m開くのを待ち・・・そうこうして漸くふたりなかよく夕日を見ながら並んで座ってまたひととき。

まりすけもお散歩に満足してくると、私と一緒にいても良いと思うらしく、最後の当たりは「まりちゃーん」と呼ぶとすたこらすたこらと言うことを聞いて私の向かうほうに来てくれるようになります。
元気のいいときは、これがペガサス走りになって来てくれるわけです。
こうなってくると満足度が分かるので、それから少しでお散歩はおしまい。

久しぶりのお散歩だったので、満足して頂くのに本当に時間が掛かりました。ほんとに猫との散歩は難儀ですワ。
写真は私とまりすけのツーショット。私はまりすけのお散歩のほんものの影。影武者なんです。

まりすけは闘う猫です。
恐らく野良猫になったら地域を牛耳るほどのボス猫になったこと間違いなしと思えるくらいの・・・でも純情だからどうかな(親ばか)・・・他の猫ちゃんとも飛びまわって遊んだこともたくさんあるのだけれど、逃亡中に怖い目にも遭ったんでしょうね。
狂暴になったまりすけは発情したライオンのようです。ほんとにコワイです。その力強さったらもう・・・お散歩には私は必ず腰にGジャンを巻きます。
何かあったときに素手ではまりすけを押さえられないからです。
Gジャンを被せてめくらましをして持っていっているキャリーに放り込みます。

他の猫に会ってしまったときが一番大変。
犬は繋がれてると思ってまりすけがばかにしているので平気。
でも、この辺犬治安が悪くて、一人で遊んでいる犬が多いんです。
こーんな大変な思いをして、「もう2度と散歩なんかいかない!」と思ったことも何度あったことか。
でも、すぐに行っちゃうんです。まりすけが喜んでいるのが嬉しいんです。

・・・めっちゃ惚れちゃったってことですね。この暴君に。
こんな生き生きした自然を持った天然のねこが私なんかのところに来てくれて、私はこのねこの自然を自分と一緒にいてもらうために奪ってしまっていて(もちろん今の東京近郊ではねこはひとりでは生きられないけれど)、そのことが申し訳なくて仕方がないのです。
だから、出来る限り楽しいことをさせてあげたいとばかみたいに思っています。
困るのは若いカップルを見ると「かわいいぼくちゃん」みたいな態度で愛想良く寄って行っちゃうこと。
私、ひとりもんです(きっぱり)。カップルにまりすけが寄って行き「かわいい〜」なんて言ってもらうのだけれど、実はまりすけは狂暴でどこで気が変わって噛みつくか分からず、私は「すみませんすみません」なんて言いながら割り込んでいってまりすけを引き離さなければならないのです・・・もう、情けないったらありゃしない。
まりすけは2歳までカップルにべたべたに愛されて育った猫なので、そのことをどこかで覚えているのかもしれませんね。
なんか、切ない。

昨日はよもぎが良い香りを放っていて、帰って来たまりすけはほんのりよもぎの香りとお日様の香りと、まりすけの香ばしいマカデミアナッツみたいな香りが合わさって幸せな夕餉でした。

2004年9月20日

ライブラリートップ