にゃあちゃん伝説 Page2  written by nyakojo さん  

● 使った薬
基本的には人間の薬の量を調節して与えてるようです。
先生からの説明と私見も交えて書いてあります。

・ネオフィリン
(心臓の薬 腎不全だと血流が悪くなるので心臓を動かして全身の血の循環を良くするとのことでした。)

・アモキシン(抗生剤 感染症防止の目的もあったような)

・ ラシックス
(利尿剤 輸液と併用するとBUNを下げる効果がUPするようです。実際に飲んでみると常に尿意に悩まされるような?)

・ クレメジン
(吸着剤 他にも同じような活性炭の吸着剤がありますが、ウチはクレメジンしか使っていません。ご飯に混ぜると食べないので、カプセルのまま飲ませていました)

・ ウルソ
(肝臓の薬)
・ タチオン(肝臓の薬)
・ グリチロン(肝臓の薬)

・ アミペックス
(抗生剤 CPKが上昇した時だけに使いましたが、どうも合わなかったらしく下痢Pになってしまいました。。)

・ フェロベリンA(下痢止め 獣医さんのところでも処方してくれますが、これは私が風邪で下痢Pになったときに貰った奴をあげました。勿論獣医さんの了承済みです)

・ タウリン
(栄養剤)ネコにはタウリンがとても必要なんだそうです。最初の検査から肝臓の数値も芳しくなかったので、タウリンの粉はカプセルに詰めてあげてました。

・ ペリアクチン
(抗ヒスタミン剤 ネコには食欲を増進させる効果があるみたいです。ウチの場合は効果があったときと全くなかったときの落差が激しかったので何とも言えませんが。ただ、これを飲むと辛そうな泣き声になるので、実際のところにゃあにしてみればストレスだったのかもしれません)

●使わなかった薬
・ アンギョンテンシン反転酵素
末期の腎不全には良いらしいとの報告があるようです。ウチは使わなかったけど、最後の頼みの綱で飲ませても良かったかなあと思ったり思わなかったり・・

・ 痙攣止めの薬

これだけは、どうにもこうにも名前を思い出せません。痙攣は収まるけど、もう帰ってこなくなるかもしれないという説明は受けました。

これらの薬を、1日2回あげてました。
そのほか、造血剤シロップを最初あげていたのですが、あげ過ぎ?て少し血尿が出てしまったので造血剤シロップは中止して、ファンケルの鉄とビタミンBのサプリメントをあげていました。
ファンケルサプリにしてからは血尿もなく、HTも下がる事はなかったと思います。

なので、一回のお薬の量が一番多い時で10個くらいになってしまった時もありました。
私はカプセルに入っていれば何でも飲ませる事が出来たので、錠剤は割ってカプセルに閉じ込めてあげてました。
薬を上げるときはにゃあ様のお身体を半纏で包んであげてました。
じゃないと手が出てきちゃってあげられなくって。。

●強制給仕
ウチの通っていた獣医さんのところでは、k/dのドライを一個ずつ薬を上げるようにして食べさせる方法で強制給仕をしていました。
しかし、この方法だと時間がかかって、にゃあ様はイライラしてきて途中で放棄されてしまう。
というかパンチ、キックが激しくなり、とてもとても続行できるような状況じゃあありませんでした…

元々ドライよりウエットの方がお好みだったので、k/dウエットを強制給仕していました。
ウチでやっていた方法は、生クリームの絞りだし袋にk/dウエットを入れて口の奥の方に搾り出して口を閉じさせ、飲みこんだのを確認してからまだ同じ作業にっていう傍目から見たら何とも乱暴なと思われる方法をとっていました。
しかし、これは時間がかからないし、にゃあも短時間で済んでくれたからイライラしないで済んだみたいです。
ポカリスエットを水で6倍に薄めたモノを給仕の合間にスポイトであげると、口の中にK/Dが残らなくて良かったようです。

9月の後半からは、栄養補給のために腎不全用のミルク(チューブダイエットキドナ)を強制給餌していました。
こちらはシリンジであげていましたが、これはにゃあは結構気に入っていたのかあまり嫌がらずに舐めてくれていました。

●自宅輸液
最初は私と彼の2人でやっていました。
基本的には私が針を刺す人、彼が押さえる人です。
が、いつでも同じ時間に両方揃っていないこともあるので、途中からは二人とも一人だけでやる方法をとってきました。
が、これが大変難しかった。
自宅輸液をはじめた当初はにゃあの体力がなくなっていて動く事も少なかったのですが、元気になってきてからはとにかく動く動く。二人でやってても大変な事もありました。
押さえてる方は毎日噛まれる、引掻れる!
針を刺すほうも、動いてなかなかポイントがわからない。

これを一人でやるには・・色々試した結果、洗濯ネットにいれて輸液針を刺す部分だけ穴をあけ、あとは小さ目の腹巻で手脚が動かない様にした上で両膝で押さえて輸液していました。
これはにゃあ様もあんまりバタバタしない(できない)し、早く済んで良かったみたいです。
生前に試さなかった方法としては、ルーズソックス。。
しかし、これは私が買いに行くのも良いトシしてって感じだし、ましてや彼が買いに行くのは単なる変態です。
腹巻が思いの他役に立ったので試さなかったのですが、洗濯ネットを使わずにやるにはルーズソックスは良さそうな気がします。

● 腎不全の予兆?
にゃあ様は生後6ヶ月くらいで避妊手術をしています。
その後左目だけがたまに涙目になることがありました。ドライアイといわれ、たまに目薬を刺していた程度です。
しかし、7歳頃から涙が酷くなり、腎不全で通院する直前にはポロポロと涙を流す日もありました。
実際、涙が酷い時にはBUN等は高かったので、関係があるのかもしれません。
また、体質的にはいくら食べても太らないネコさんだったのは、もしかすると物凄く若い時から腎不全といわれる症状はあったのかもしれません。

● 食生活
にゃあはネコ缶派でしたが、ドライも渋々食べていました。
ネコ缶は良くスーパーに売ってるものを一日2個から3個、ドライもスーパーで買ってました。
情けない事に、私は添加物や保存料のことは全くといって良いほど知識ゼロでしたので、
「あげると喜ぶから買って来る」という状況でした。。
人間の食べ物は鰹節と海苔が好物でした。極々たまにお刺身程度。
でも今考えると、毎日お刺身とかの方がまだマシだったのかもしれません。

火葬した時に最後に気に入って食べていたネコ缶とササミを一緒にお備えしてあげました。
しかし、ササミはすっかりなくなってるのに、ネコ缶は綺麗な形の炭?になってしっかり燃え残っているじゃないですか!
この時は、本当に保存料って凄いんだなぁと感心すると共に恐ろしくなってしまいました。
現在はネコのご飯はネットで無添加のものを買うか、手作りです。。

● 獣医さん
町に一つはある、良くありがちな動物病院に通っていました。
設備も凄いという訳ではなかったです。
先生の考えは血液検査以上の検査は大学病院に行ってやってもらって、自分のところで対処するって感じでした。入院は出来る性格の子以外はしない主義らしいです。
にゃあ様は入院不可の部類だったので入院はなしでしたが。
先生は熱意溢れる方というか、溢れ過ぎと言うか、にゃあに関しても本当に自分のウチのネコの様に考えてくれてとても感謝しています(随分喧嘩もしましたが)

● 大学病院
そんなわけで、大学病院でCT撮って来ることになりました。
腎不全で大分もう末期でどうしょうもない状況だけど、どの程度まだ頑張れるかは超音波以上にCTをとると良くわかるらしいです。
しかし、にゃあ様は大学病院の検査の日に必ず猛烈に具合が悪くなり、毎度キャンセル。
結局お世話になりませんでした。

● 人工透析
ウチはやりませんでしたが(お星様になった連休を越えたらやる予定でしたが。。)、今後は自宅でも出来るかもしれないそうです。
人工透析をするとネコの場合血液量が少ないので、今までだとどうしてもHt(PCV)が下がってしまうそうだったんですが、最近のは血球量は下げずに透析できるらしいです。
機械自体も小さくなってきてるらしいので、自宅で出来るようになれば腎不全のネコさんの負担も減るのでは?

● 静脈点滴
入院はにゃあは難しい子だったので、自宅ででもやりたかったのですが、結局一度もやりませんでした。
貧血が進んでいた上に最初の頃はエリスロポリチンの効果がなかなかでず、輸液を大量に入れることが出来なかったのでしかたなかったのですが。。。

● 腎移植
一番最初に行った時に、にゃあはまだ若いので腎移植もどうかと言われました。 
費用は60万程度。
ドナーのネコさんから一個移植してもらい、ドナーのネコさんを家族として向かえるのが条件だそうです。
費用はともかく、ドナーさんは1個の腎臓で頑張らなければならないので、遠くない将来に腎不全になってしまいます。
移植されたにゃあ様だって、どうなるものやらわからない。
第一、 術後に仲良くやってくれるかどうかもわかりません。
ウチの先生は「ドナーの子に家族としての幸せをあげるもの一つの方法」っていってましたが。。

● エリスロポリチン
現在は、ヒトのエリスロポリチンを遺伝し組替えして使用しています。
本当はネコのエリスロポリチンが良いそうなのですが、現在そういうのは販売してるのかな?
ネコはヒトよりもウシに近いらしい。
余談ですが糖尿病になったばあいだと、ウシのインスリンがネコには合う事が多いらしいです。
しかし、BSEの問題でウシのインスリンは手に入らなくなって、先生はプリプリしていました。

エリスロポリチンは造血剤ホルモンで、腎不全末期の腎性貧血に効果があるそうです。
通い始めたその日からエリスロポリチンを接種していましたが、速い子は1ヶ月で耐性が付くので、ウチの獣医先生は規定量よりかなり多く短期間に接種していました。
それでもにゃあ様のばあいはかなり腎不全が進行していたので、なかなか効果が現れず、更にその倍量を接種してやっと効果が現れてくれました。
しかし、エリスロポリチンはBUN,Cre上昇という腎不全を悪化させる副作用が2%だけあります。
先生の病院では今まで副作用はなかったらしいのですが、にゃあに出てしまいました。。

また、一番の副作用の血圧の上昇もあったようです。
エリスロポリチン接種から2、3日は夜中に苦しそうにムームーとないていましたし、良く眠れない日もあったようですから。
確かにエリスロポリチンがなかったら、6月位に貧血でお星様になっていたと思います。
でもそれと同時に、BUNが140とかになってしまって大変な事になってしまっていました。

● 腎不全発覚後の日常
にゃあは、多飲多尿以外は目に見えた症状はなかったです。
しかし、毎度毎度血液検査の結果はBUN100前後。
それでも嘔吐がなく普通に食欲はあるし、こじょうとも遊びネコ団子になってグースカ寝ていました。
だから、BUN100前後であればまだ元気と言って良かったと思います(客観的には凄い数値ですが)。
BUN140になると、さすがに嘔吐がでました。

自宅輸液以前は通院ストレスからか、不眠の他、脱毛、また「うろうろにゃーにゃー」と不満を言いつづけていました。
以前から高いところが大好きだったのですが、何故か通院し始めてから今まで以上に高いところに登っていました。
また、BUNが上昇すると歩行が不安定になり歩けなくなりました。
ダッシュして走ることは出来るのですが、普通に歩くと転んでしまうこともありました。

●介護ネコこじょう
腎不全を信じたくないあまりに、最初は病や老いから目を背けていた気もします。
しかし、通院ストレスや症状の悪化などで、今まで出来ていたことができなくなっていくにゃあをサポートしていく必要がありました。

こじょうは、にゃあが7歳の時に近所で拾ったサビネコです。
すぐに仲良くなり、今まではにゃあはこじょうにご飯を先に食べさせ、トイレのあとも片付け、毎日グルーミングをしてあげていました。
本当の親の様に面倒をみていたのです。
しかし、腎不全発覚後は立場が逆転と言うか、こじょうは今までにゃあがしてくれたことを、しっかりやってくれていました。
ご飯を食べる時は必ず傍についていましたし、トイレもきちんと埋められない時はすぐにお片づけをしていました。
最後の方は自分で全くグルーミングが出来なかったのですが、こじょうはていねいにグルーミングしてくれていて本当に助かりました。
こじょうがいなかったら、もっと迷っていた時間は長かったと思います。

● 今思うこと
私は、にゃあは死なない特別なネコだと思っていました。
しかし、時間は有限でいつか命には終わりが来る事を、にゃあは身をもって教えてくれました。
にゃあは腎不全というネコに最も多い病気にかかってお星様になっていきました。

闘病中は「何で腎不全なんかになっちゃったんだろう」って自分や他の事を責めてばかりで、病気には肯定的にはなれず誰かに相談するとか、そういったこともあまりできませんでした。
私も同居の彼も自分一人で抱え込んでしまうタイプな上、お互いに治療方針については考え方の違いがあり、これもまた余り話し合うというよりは勝手に考えて結論だけを言うみたいな感じで、良くなかったなと思います。
にゃあを挟んで、治療方針で喧嘩になった事もあります。
ネットで色々腎不全や、ネコの老化についてのサイトも巡回していたのだから、誰かにお話だけでも聞いてもらったほうがよかったかなぁと今は思います。

でもこうしてネットが発達してくれたおかげで、ひぴさんのいっちゃんの闘病日記や、他のネコさん達の闘病記やBBSのやりとりを読む事で、自分の所と同じような状況をみてとても参考になりました。
私もこうして闘病記を書くことで、次の頑張るネコさんと介護人さん達の参考になればと。
ネットの人達に、この場を借りてお礼を言いたいと思います。

にゃあがお星様になって5ヶ月、腎不全で良かったというか、腎不全がわかって良かったと思います。
ネコの病気について全く無知だった私が、あのまま病院に行かなかったらにゃあはもっと早く、そして突然にお星様になってしまったと思います。
にゃあは私のこと、私達の家族の事をとても愛してくれて、面倒を見てくれていました。
たった5ヶ月だけれども、最後ににゃあのお世話をさせてもらう時間があったのは腎不全がわかったから、だから今は腎不全で良かったと本当に心から思うのです。

こじょうは今、一人っ子になってしまいました。
にゃあがお星様になって5ヶ月、にゃあが居ない生活にはなかなか馴染んで貰えず、寂しさとストレスからすぐにパニックになったり、自分で毛をむしってハゲになったりしています。
でも、そのほかは身体は小さいけど本当に元気いっぱい。
その若さと元気は永遠じゃないけど、今元気なこじょうとの時間を大切にすることがにゃあが教えてくれた事です。
にゃあと逢えた事に心から感謝してペンを置きたいと思います。

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