| どうもお節介獣医師49番です。まだ改善は見られませんか…。それは残念です。もしかしたら原因は違うのかもと思ってしまうような…、ちょっと不安です。何か変な助言をしてしまったのではないかと…。
”右目が腫れていた!?”脅かすようですが、それはけっこう怖いですよ。 どんな猫も同じではありませんが、以前、私も同じような猫を見たことがあります。18歳の腎不全猫ですが、当初は緑内障だと診断し、点眼治療に反応していたので、ずっと点眼を続けました。 しかし、その後点眼を続けていたにもかかわらず、ある日突然今までにないくらい目が腫れて連れてこられました。緑内障の病態は非常に複雑なので、薬で維持できるのはけっこう珍しいので、結局悪化してしまったのかと思ったのですが、よくよく調べてみると、目の後ろに膿が溜まっていたのです。ですが、数日間集中的にその膿を取り除き、洗浄、消毒を繰り返し、何ヶ月も苦しめられた緑内障様症状も今ではすっかり治っています。 聞けばその子は、しばらく前に歯のほとんどが抜けてしまい、その痛み等でしばらくゴハンが食べられないときもあったとのことです。私が診断したときはすでに歯茎が閉じてしまっていて、排膿も歯肉炎も見られませんでした。しかし、実際の病態としては、すでに歯根部より感染を起こしていて、その膿が少しずつ見えない顔の中に溜まり続けていたのでした。歯茎が閉じていたため(歯茎は案外早く閉じてしまう)、膿の出場所がなかったのです。腎不全、膀胱炎などでしばらく入院したとき抗生物質を投薬していたため、当初の段階で膿の増殖が抑えられていたのだと考えています。
あくまで可能性ですが、前回の書き込みにも書いたように顔のどこかに膿が溜まっている可能性が高いと思います。白血球数が高ければまず間違いないのでしょうが、白血球数が低くても(75=7500です)可能性は否定できません。これはちょっと獣医じゃなければわかりませんが、血液を染色して顕微鏡で見たときに、膿が溜まっているときに、よく見られる型の白血球が見られたとか見られないとかは言われていませんか?それがなくても、膿が溜まっている可能性は否定できませんが…。それほど検査って難しいものなのです(涙)。 確実に調べるにはCT、MRIといった精査が必要なので、お勧めはしませんが、レントゲンでもわかる可能性はあります。そうでなくても、毎日注意深く顔を触ってあげてください。また目が腫れてきたとか、なんかプニュプニュしている部分(目の後ろ、頬など)が出てくれば、’様子は見ないですぐ病院に連れて行ってあげてください。’触診でわかるときというのは、もうすでにけっこう膿が溜まっているときなんですけどね。 他の歯も同じように歯根部の歯石が取りきれていない可能性があるので、これでもう同じようなことは起こらないとはいえないですが、まずは現在の状態を回復することが先決ですよね。現在抗生物質は飲んでいるでしょうか?抗生物質の長期投与で完治することもありますが、見えない部分の蓄膿のため病態が計りづらいこと、抗生物質で副作用が出てしまった場合(下痢など)は長期投与が勧められないこと、蓄膿が少量の場合排膿が難しいことなどもあり、なんとも…。
多飲多尿の原因が歯の膿だとした場合、これからはkotoyoさんの観察力にかかっていると思います。しばらくは毎日、猫ちゃんの顔をサワサワしてあげてください。病気は獣医師と飼い主さんの協力で治すものですから。 それでは早い段階での改善を祈ります(身勝手)。
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