輸液の種類

輸液(補液)の方法は2種類あります。

1)静脈点滴
2)皮下輸液

静脈点滴は、人間の医療でもおなじみの、いわゆる点滴です。
血管(静脈)に直接、液を入れます。

皮下輸液は、皮膚と筋肉の間に輸液を入れて、じわじわと体内に吸収させる方法です。
昔は人間にも行われていたそうですが、近年ではほとんどないです。

王冠 皮下輸液とは

猫さんは、身体の皮と筋肉の間にすき間があります。
(人間にもありますが、猫さんより小さいので、通常は皮下輸液には向かないそうです。)

皮下輸液は、そのすき間に輸液を入れて、体内に液を吸収させる方法です。

皮下輸液のメリット

ゆっくり体内に吸収されるので、静脈点滴よりも心臓の負担になりにくい。

数分程度で終わるので、長時間、猫さんを拘束する必要がない。

自宅で飼い主さんができる場合もある。

皮下輸液 のデメリット

血管に直接、液を入れる静脈点滴と比べると、体内に穏やかに吸収される分、効果も穏やか。
早急に脱水症状や数値を改善する必要がある場合には向かない。

自宅で皮下輸液

皮下輸液は、自宅で飼い主さんができる場合があります。
しかし、全ての猫さんに、自宅皮下輸液の許可がでるわけではありません。

獣医さんの考え方や方針により、あるいは猫さんの状態や性格などによって、許可が出たり出なかったり、いろいろだと思います。

許可をしてくれる獣医さん=良い先生、
許可してくれない獣医さん=良くない先生、

ということでは決してありません。

責任感が強く真摯な獣医さんほど、なかなか許可は出ないかもしれません。
病院でしたほうが、猫さんの状態を獣医さんがしっかり把握して、その都度、輸液の量や添加するお薬などを調整することもできるからです。

反対に、電話で問い合わせただけ、あるいは最初の通院時から、猫さんのことも飼い主さんのこともよく分かっていない状態で
「はいはい。自宅皮下輸液ね。いいですよ〜どうぞどうぞ。」
と二つ返事でオッケという獣医さんのほうが、ちょっと怖いような気がします。

針を刺すという医療行為を、素人の飼い主さんに許可するのには、獣医さんの飼い主さんに対する信用も必要だと思います。

けれど、自宅で飼い主さんが皮下輸液をしてあげられたなら、通院でのストレスや体力消耗が抑えられます。
病院の方針によって違いはあると思いますが、基本的には猫さんの体調が安定してて、かつ頻繁な輸液が必要な場合には許可されやすいようです。
一度はダメと断られても、その後猫さんの体調が落ち着き、飼い主さんと獣医さんの間にある種の信頼関係ができたことから、のちに許可になった方もいます。

こちらの希望をはっきり伝える、どんなことでも疑問に感じたら質問するなど、獣医さんと話し合いながら治療方針を決めてくださいね。
そしてあなたと猫さんとの輸液タイムが、ラブラブの時間となりますように。

自宅皮下輸液のための参考資料

獣医さんのHP。日本ベッツグループ内、皮下輸液のページ

ぎゃおす王国内・体験レポートbbsにも、自宅皮下輸液に関するスレッドがあります。

輸液の与え方〜暴れん坊の猫さんの場合

自宅で皮下輸液

輸液をしたあとに脇腹を痛がったんですが…

輸液セットの保存方法について

皮下輸液の際の消毒について

自宅皮下輸液のムービー集

ぎゃおす王国内、自宅皮下輸液のムービーのページです。

ムービー1)シリンジを使った輸液の練習
(動物病院で指導してもらったときのムービーです)

ムービー2)輸液パックから直接〜輸液の準備と手順

ムービー3)輸液パックから直接〜加圧帯を使用

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